2018年03月23日

ことばと子どもの育ち(6)〜芸術的な言語の運用〜


15776732_1246946495385394_6738859771093353461_o.jpg


前回、子どもたちへの国語教育について考へたい、と書きました。また、その国語教育に言語造形といふことばの芸術を注ぎ込みたい、とも書きました。
http://kotobanoie.seesaa.net/article/458027503.html?1521246511

詩人や文人が書き記した詩や文章を、言語造形をする人が、子どもと一緒になつて声に響かせます。

そのとき、ことばのうちに、リズムのやうなものが、メロディーのやうなものが、ハーモニーのやうなものが、感じられます。さらには、色どりのやうなもの、かたちあるもの、動きあるものまでもが、感じられます。

時に晴れやかに、時に密やかに、感じられます。

言語の運用に於いて、そのやうな芸術的感覚をもたらすこと。

それが言語造形をすることの意味なのです。

さうして話されたことば、語られた文章は、頭の知性によつて捉へられるばかりでなく、音楽のやうに、色彩のやうに、彫塑のやうに、聴き手の全身に感覚される。

詩人や文人は頭でものを書いてゐるのではなく、全身で書いてゐるからです。

そのやうに言語造形をもつて口から放たれることばは、そのことばを書いたときの書き手の考へや思ひだけでなく、感情、意欲、息遣ひ、肉体の動かし方、気質の働きまでをも、活き活きと甦らせる。

そして、ことばそのものに潜んでゐる精神、言霊といふものが、リアルなものとして空間に立ちあがつてくるのを感じます。その言霊こそが人のこころとからだを爽やかに甦らせる働きをすることを実感することができるのです。

言語造形を通して、書かれたことばが、活き活きとした話しことばとして甦ります。

さういふことばを日々、全身で浴びるやうに聴き、自分も一緒になつて声に出して響かせていくならば、子どもたちは、自分自身が書く、書きことばにも、言語造形されたことばの感覚を注ぎ込んでいくことが、自然になされていきます。

話すことばの活き活きとした芸術感覚が、子どもたちの書くことばにもおのづから通ひ出すのです。

さうして、話しことばと書きことばとが、ことばの芸術的な感覚の中で、共に、手に手を取つて成長していきます。

そんな国語教育。

子どもたちがそんな言語生活を営んでいくために、わたしたち大人自身がまずは言語造形を知ることです。

言語造形をやつてみることです。

ことばのことばたるところを実感することです。

そして、子どもたちの前でやつて見せること、やつて聴かせること、共にことばを楽しむことです。




【ことばの家 諏訪 平成三十年度クラスのご案内】
 
●言語造形クラス
https://kotobanoie.net/spra/

●和歌(やまとうた)を学ぶ会
https://kotobanoie.net/yamatouta/

●生誕劇を演じるクラス
https://kotobanoie.net/spra/#pageant

●言語造形で甦る我が国の神話と歴史クラス
https://kotobanoie.net/spra/#kojiki

●日本の言霊を味わうクラス(講師:諏訪千晴)
https://kotobanoie.net/kototama/

●普遍人間学そして言語造形を学ぶクラス
https://kotobanoie.net/tue/

●名張・言語造形を体験する会『ことばを聴く 語る』

講師: 
諏訪耕志 (「ことばの家 諏訪」主宰 )

日時: 
4月16日(月) 10:00〜13:00

場所:
三重県名張市内 (お申込み頂いた方に詳細をお知らせします)

参加費: 
3,000円

お問い合わせ・お申込み: 
ことばの家 諏訪 
 e-mail info@kotobanoie.net
 Tel 06-7505-6405

プログラム:
10:00 お話しを語るワークショップ
(言語造形を体験していただきます)

12:00 お話しに耳を澄ます朗読会 
(言語造形による語りを聴いていただきます)

「風呂に入るお地蔵さん(名張の昔話)」 南ゆうこ
「和泉式部日記」より 森野友香理
「蛇の輪(創作昔話)」 諏訪耕志

12:45 シェアリング

(全員で感想を語りあい聴きあいましょう)

13:00 終了








posted by koji at 23:28 | 大阪 ☀ | Comment(0) | ことばと子どもの育ち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
■ 新着記事
青い森自然農園でのことばづくり「ことばのひ」 (10/10)
ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 講師陣ご紹介@ (10/09)
日本文化に根差す第1回シュタイナー教員養成講座 in 宮城県蔵王町 ひのみやこ主催 (10/07)
こころのこよみ(第27週) (10/04)
理想をことばに鋳直すお祭り ミカエルのお祭り (09/29)
こころのこよみ(第26週) ミカエルの祭りの調べ (09/28)
大阪帝塚山「ことばの家」さよならパーティー (09/27)
エーテルの世を描いている古事記 (09/24)
頭で考へることをやめ 胸のチャクラからの流れに委ねる (09/23)
命綱としての文学 (09/22)
■ カテゴリ
クリックすると一覧が表示されます。
ことばづくり(言語造形)(237)
アントロポゾフィー(180)
断想(563)
講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告(440)
動画(311)
アントロポゾフィーハウス(92)
声の贈りもの(5)
うたの學び(88)
神の社を訪ねて(37)
こころのこよみ(魂の暦)(471)
読書ノート(71)
絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真(40)
ことばと子どもの育ち(13)
「ことよさしの会」〜言語造形に取り組む仲間たち〜(11)
わたしの来し方、行く末(3)
■ 最近のコメント
待ち望まれてゐることばの靈(ひ)〜「こころのこよみ」オンラインクラスのご案内〜 by 諏訪耕志 (04/03)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 by (04/09)
12/10(土・夜)12/11(日・朝)オンライン講座「星の銀貨」を通して〜人への無理解と憎しみについて〜 by アントロポゾフィーハウス (12/07)
穏やかで安らかなこころを持ち続けること、しかし、目覚めること by 諏訪耕志 (04/23)
教育の根本 by 諏訪耕志 (06/21)
■ 記事検索
 
RDF Site Summary
RSS 2.0