2018年03月10日
ことばと子どもの育ち(3)〜素朴な教育の理想〜
「人前でしつかりと口が利けるやうになつたら、一人前だ」
昔の日本人は、子どもへの教育の理想をそんな風に言ひ表してゐたさうです。
多くを子どもに求めず、そのかはりに、ことばの力をこそ、生きていく上での基の力としてしつかりと身につけさせてやる。
それは素朴だけれども、どこまでも大切な理想です。
「人前でしつかりと口が利ける」
それは、きつと、自分自身が、考へてゐること、感じてゐること、欲してゐることを、言ひすぎることなく、言ひ足りず、もどかしい思ひをすることもなく、的確にことばにすることができるといふことでせう。
そのとき、そのときで、余計なことは言はず、考へてゐることとずれたことを言はず、自分が考へてゐることをピタリと、過不足なく、ものごとに即してことばを話すことができるやう、若い者を教育しようと、昔の人たちは考へてゐたさうです。
そして、その力は、きつと、他人のことばから、考へてゐること、感じてゐること、欲してゐることを、聴き取る力、読み取る力、思ひやる力になりゆくでせう。
この、ことばの力、国語の力が、現代生活に於てどれほど強く必要とされてゐるでせうか。
わたし自身にとつて、この力は、とてつもなく大事な力だと感じてゐます。
そして、わたしの周りの人たちにとつてもさうではないかと思はれるのです。
昔の日本人は、今のやうに義務教育もない時代、どのやうな国語教育を考へ、子どもたちに施してゐたのでせう。
諏訪耕志記
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講師:
諏訪耕志 (「ことばの家 諏訪」主宰 )
日時:
4月16日(月) 10:00〜13:00
場所:
三重県名張市内 (お申込み頂いた方に詳細をお知らせします)
参加費:
3,000円
お問い合わせ・お申込み:
ことばの家 諏訪
e-mail info@kotobanoie.net
Tel 06-7505-6405
プログラム:
10:00 お話しを語るワークショップ
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12:00 お話しに耳を澄ます朗読会
(言語造形による語りを聴いていただきます)
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「和泉式部日記」より 森野友香理
「蛇の輪(創作昔話)」 諏訪耕志
12:45 シェアリング
(全員で感想を語りあい聴きあいましょう)
13:00 終了
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