2018年03月06日
ことばと子どもの育ち(1)〜ことばに抱きしめられる〜
赤ん坊がこの世に生まれてきて、最初に触れる芸術。
それは、そばにゐるお母さん、お父さんの声、ことば、息遣ひです。
勿論、まづは、食べ物や、暖かく身をくるむ布、睡眠などが欠かせませんが、母の声、父の声、ことば、息遣ひには、赤ん坊がこれからの永い人生を生きていく上で、欠かせない基としての生きていく力が湛えられてゐます。
それは、いのちの力、エーテルの力と云つていいもの。
母の声、父の声、人のことばを通して、そのいのちの力が赤ん坊の全身に働きかけます。
そもそも人が、朝、寝床から起き上がる、用を足す、朝ご飯をおいしくいただく、そんな、できて当たり前だと思つてゐること。それらのことを内から司つてゐるのが、いのちの力。
そして、本来、人が日々を生きていくための当たり前の力を、
生みだし、呼び起こし、想ひ起こさせるもの、それこそが、芸術であり、最初に触れる芸術が、母の声とことばと息遣ひなのです。
それは、幼い子どもにとつて、「天地之初発(あめつちのはぢめ)」に鳴り響くことばであり、差し込んでくる光でもあるのです。
幼い子どもは、その芸術に触れられ、包まれ、抱きしめられて、日々を生きていきます。
人は、何かを抱きしめることでなく、何かに抱きしめられることによつて、より、自分自身、「わたし」と云ふ存在に目覚めます。
幼い子どもは、母に、父に、周りにゐる大人に抱きしめられることによつて、人の声、ことば、息遣ひに抱きしめられることによつて、ゆつくりと己れの「わたし」に目覚めていくのです。
その子の傍にゐる大人の深い息遣ひ、明瞭で活き活きとしたことば遣ひ、それらが子どもを抱きしめます。
ことばのひとつひとつ、息遣ひのひとつひとつが、子どもの周りに漂ひ、見えない手振り、見えない身振りとなつて、子どもを抱きしめます。
【ことばの家 諏訪 平成三十年度クラスのご案内】
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●名張・言語造形を体験する会『ことばを聴く 語る』
講師:
諏訪耕志 (「ことばの家 諏訪」主宰 )
日時:
4月16日(月) 10:00〜13:00
場所:
三重県名張市内 (お申込み頂いた方に詳細をお知らせします)
参加費:
3,000円
お問い合わせ・お申込み:
ことばの家 諏訪
e-mail info@kotobanoie.net
Tel 06-7505-6405
プログラム:
10:00 お話しを語るワークショップ
(言語造形を体験していただきます)
12:00 お話しに耳を澄ます朗読会
(言語造形による語りを聴いていただきます)
「風呂に入るお地蔵さん(名張の昔話)」 南ゆうこ
「和泉式部日記」より 森野友香理
「蛇の輪(創作昔話)」 諏訪耕志
12:45 シェアリング
(全員で感想を語りあい聴きあいましょう)
13:00 終了
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