今日も、『キリスト生誕劇』のための練習。
人の息遣ひから、演劇が、生まれる。
さらに、風から、人は生かされてゐる。
風、それは、神の息遣ひである。
そこに、言語造形の稽古は常に帰つていく。
舞台の上で、俳優はなんらかの身ぶりをすることによつて演技をしていくのであるが、今日は、言語造形の基本に立ち返つて、まづ最も基本の身ぶりに取り組んだ。
それは、「息をする」といふ身ぶりだ。
普段よりも活き活きとした、より深くなされる息遣ひから、ことばと共に、見えない身振りが生み出され、繰りなされてくる。
その息遣ひの中にこそ、生きた身ぶりが不可視のつくりでつくりなされる。
外から取つてつけた身振りではない、息遣ひから生まれてくる「空氣人間のすがた」「風からなる人のすがた」だ。
そのすがたは、わたしたちに「人のおほもとのすがた」を想ひ起こさせてくれる。
そのすがたは、遙かな昔に人がとつてゐたすがたであり、そして、遙かな先にわたしたちが意識的に勝ち取るであらうすがたでもあつて、芸術に取り組む人は、そのことをだんだんと先取りしながら、未來にあるであらう「人のすがた」を密やかに提示していく。
それは、ことばが、單に情報を伝へるためだけの抽象的なものではなく、活きたことばとなり、人そのものとなり、そして、
だんだんと、人がことばそのものとなることである。
「はじめにことばありき」へと、これからはだんだんと遡つていくのだ。
ヨハネ福音書に、キリストのことばとして、かうある。
まこと、まこと、わたしは、あなたに言ふ、
それ、人、水と風から生まれん、
そも、さにあらずんば、人、天の国に入るを得ず
(ヨハネ 三章五節)
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