『おはなしペチカ〜夏至〜』終演いたしました。
諏訪千晴と諏訪かさね、そしてライアー奏者の足利智子さんによつて創られた時と場は、本当に美しい調和に満ちたものとなりました。
一年間、基本的に独りで舞台に立ち続けた千晴の姿を観てゐて、これは本当に凄いことだなあと思ふのです。
空間の中にたつた独りで立つ。そして、空間に向かひつつ、空間を迎へる。この向かひつつ、迎へるといふ立ち方、あり方こそ、わたしたちが学び取らう、学び取らうとしてきたことだつたやうに思ふのですが、そんな極めて動的でありながら、同時に静かさを湛へる立ちやうが、ひとつの美しいかたちとなつて現実化した舞台。わたしにはそんな目覚ましい時間でした。
よく人は言ひます。意識次第ですぐにでも人は変はれるし、それによつて世界も変はるのです、と。
しかし、そのやうに、いっときの意識によつて変容したあり方は、またいっときの意識によつて簡単に元のあり方へと戻つてしまひます。
また、意識の変容がもたらす効果をどれだけ他人から聞いても、それは何度でも無効へと戻つてしまふでせう。
付け焼刃をいくら重ねても、そのたびごとにメッキははがれるのです。
大事なことは、数限りない練習によつて、そのやうな意識の働きかけを自分のからだとこころに刻み込んでゆくことだと確かに思ひます。
どれほどの時がかかり、どれほどの修羅を生きることになるか、それはその人、その人に応じて長短、深浅が変はつてくるでせう。
けだし、己れの経験のすべて、体験のすべてをもつて、己れの身の奥底からの目覚めと、おのづからのなり変はりが生じるまで、人は待たなければならない。
人は変はらう、変はらうと焦つて力みかえつてゐるときほど、変はることができず、時が熟し、おのづからなり変はりが生じるまで、こつこつとなすべきことをなしつづけて、待たねばならない。
必要な時間なら、かけられるだけ、かけなければならない。
人がなり変はるといふこと、それはそのやうな人生といふ時間をすっ飛ばさずに丁寧に歩んでいくこと以外にありえないことだ。さう強く感じたのでした。
おひとりおひとり、皆さま、共にことばの藝術空間を創つてくださり、本当にありがたうございました!
終演後の皆さんと輪になつて、各々のこころの扉を開きつつ語りあへた時間も、この上なく豊かなものでした。
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