2017年06月05日

春過ぎて夏きたるらし

 
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春過ぎて夏きたるらし白妙の衣ほしたり天の香具山 
持統天皇
 
天武天皇亡き後、その皇后であられた持統天皇が藤原宮を造られたのは今から1323年前です。
 
今日は、この御歌通りの天の香具山をその宮址から見はるかしながら、声に出して歌つてみたいと思ひ、足を運びました。
 
蒼く大きく拡がる初夏の空の下、この歌は風を大きくはらんで響き渡りました。何度もことばが響き渡り、そのたびに、清々しい喜びと安堵の念ひが、この無限の空間に立ち上がつてくるのを感じたのでした。
 
歌では、洗ひ清められた衣が、陽の光に白く輝きながら、初夏の風にたなびいてゐる。
 
それは、大規模な遷都のあと、民が再び元通りの暮らしのリズムを取り戻し、神ながらの暮らしぶりに立ち戻つてゐることを教えてくれたのではないでせうか。
 
そして、大空の下、香具山が静かに鎮まつてゐるのが遥かに臨まれます。
 
その山は、天界の高天原から降りてきたからこそ、天の香具山と名付けられてゐる、さう語り傳へられてゐます。
 
また、初代天皇であつた神武天皇が戦によつて死の危機に陥つたとき、その香具山の土で作つた瓦を使つた占ひによつて窮地を脱することができたのでした。
 
夫であつた先帝と共に持統天皇は、神武天皇から続くこの天の香具山に対する信仰心を育みつづけたことでせう。そして、きつと新しい国創りへの志を燃やし続けられたのではないかと思ひます。
 
春過ぎて夏きたるらし白妙の衣ほしたり天の香具山 
 
1300年以上前のことばの芸術が風景と共にいまだに残されてゐるこの日本といふ国、大和の国を本当にこころから愛ほしく想ひます。
 
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posted by koji at 22:16 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 断想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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