2016年10月24日

秋の大和路 巻向の神人たち


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今日はあまりにもお天氣がよくて、
こんな秋の日にはどうしても行きたくなり、
妻を誘って、またまた三輪山の邊りを歩き廻りました。

わたしは、古事記で語られ、萬葉集で歌われている場所に立ち、
その場にいまだに生きている神々と人々の思いを全身で感じたい。
 
妻は、より精神的、直感的な感覺から、
古代の神々や人々と、
自分自身とがリアルに繋がっていることを確かめたく思っていて。

JR櫻井線の卷向(まきむく)驛で降りて、
三輪山の北に續く卷向山に入っていき、
第十一代垂仁天皇の纒向珠城宮跡(まきむく たまきのみやあと)、
そして、第十二代景行天皇の纒向日代宮跡(まきむく ひしろのみやあと)を訪れました。

秋の日の光を浴びながら、どこかに水の流れを聽きながら、
その卷向山へなだらかに登っていく道は、
わたしたち二人に明るく開かれた暖かい思い、
そしてなぜかとても懷かしい念いを抱かせるのでした。

その卷向山の西の麓に擴がる地は、
纒向遺跡(まきむくいせき)というところで、
そここそが邪馬臺國であったとも云われているそうです。

そして、この卷向は、昔、穴師(あなし)とも呼ばれていて、
萬葉集歌の頂きをなしたと思える柿本人麻呂は、
この穴師出身の山人(やまびと)であり、
山人は、すなわち、神人であった、
そう保田與重郎が書き記しています。

  卷向の痛足(あなし)の川ゆ往く水の絶ゆることなくまたかへり見む
  卷向の山邊響(やまべとよ)みて往く水の水沫(みなわ)のごとし世の人われは


絶ゆることなくまたかへり見む。
水沫(みなわ)のごとし世の人われは。

わたしも、こころの中で、今日、そう歌っていました。
柿本人麻呂歌集中の歌として萬葉集に收められている歌です。


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そして、さらに山道を奧へと入っていき、
穴師坐兵主神社(あなしにいます ひょうず じんじゃ)を訪れました。

そこは、もうことばでは何も言えないほどの、
靈的な何か、精神的な何かを、わたしにもたらしたように感じました。
保田は「社殿の構へには蒼古幽遠の俤(おもかげ)が濃い」ということばも殘しています。
妻は、そんな保田のことばは知らず、
その場にいてとても靈的な感覺を語っていましたが、
わたしもその感覺を共有したように感じています。

そのあと、山の邊の道を南へ、
檜原(ひばら)神社から大神(おほみわ)神社へと下っていきました。

大神神社に着いた途端、待っていてくれていた樣に、
御神輿が鳥居前に擔がれてきました。
一年の内最も大切な祭であろう、
新嘗祭である秋の大神祭がおこなわれている最中でした。

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posted by koji at 22:25 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 神の社を訪ねて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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