ひびきの村にて先週五日閧ノわたり、
詩人の稲尾教彦さんとともに「詩作と言語造形」講座を開いた。
まず初日のオリエンテーションの後、
夜に稲尾さんによる言語造形公演『舟』。
言語造形をもって朗唱される彼の自作の詩を聽いていて、
わたしは何度も、
目に見えないからだをもって舞い踊る感覺を味わった。
彼の息遣いが深まるほどに、
わたしは高く、自由に、舞うことができた。
この世にいながらにして、
あのように精神の飛翔ができる時閧ヘ本當に稀少だ。
そんな稀有の藝術家が北海道の片隅にいる。
そして、次の日から、稲尾さんの導きで、
受講生の皆さんと共に林の中に分け入って行き、
樹木や草花との内なる對話と、
己れのこころの内なる考え・理想を胸に暖めることを通して、
こころの静かさと暖かさの上に降りてくる「ことば」を紡いでいく。
それは、こころの内に潜んでいた形のないものに、
確かな形を與えていく作業だった。
さらに、今度は、紡がれていく「ことば」を言語造形を通して、
ダイナミックに、繊細に、聲にしていく。
息遣いに導かれるようにして、
こころの奥から生まれてきたことばを、
天から降りてきたかのようなことばを、
からだまるごとをもって空閧ノ響かせていく。
詩作と言語造形とを往復する四日間の後、
最終日の発表において、
參加者の皆さんから空闊齡tに響き渡った詩は、
まさに、「ことば」であり、
まさに、その「人」そのものであった。
今回の稲尾さんによる詩作の時閧ヘ、
「自分自身のこころの動き」「ゆらぎ」を見るための、
精神の育みの時閧ナもあったように想う。
その「ゆらぎ」は、
たやすく見逃され、ふたをされ、隱される、
とてもひそやかなものだけれども、
とてもしつこく根深いものをもつ動きだ。
しかし、それを見ることで、
その動きやゆらぎは静まり、
曇らされていた視界の向こうが、
漸く展けてくる。
その向こうに、
實の「ことば」があり、
實の「わたし」があり、
精神の世があり、
神の世がある。
稲尾さんの最新の詩集『夕立と群青』。
その慎ましい佇まいの一文一文が我が身に響いてくる。
にくしみは、こころも、ことばも、駄目にする。
(作品「赦す」)
己がこころの「ゆらぎ」を見ればこそ、
曇らされたこころの視界が展け、
向こうの世からことばが聽こえてくる。
かたちの定まらなかったものが、
かたちを與えられていくときの、
その、赦されるよろこび、創造のよろこび。
詩作と言語造形は、
そのよろこびに滿ちている。
こんな時閧ニ空閧創ってくださった、
すべての方々に、
こころから感謝します。
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