先日の川崎市まぶね教会での言語造形公演「十三夜」を無事終えさせていただきました。
多くの方が足を運んでいただき、言語造形という芸術への無声の応援を下さっていることをひしひしと感じた一日でした。
皆さん、本当にありがとうございました。
多くのご感想を頂き、後日、こちらでもご紹介させて頂こうと思っていますが、当日を終えて個人的に感じましたことが、ふたつありました。
まずは、樋口一葉の文章を全身をもって発声していくということ。
きっと、作家は、頭だけで文章を書いていません。
全身で書いています。
ですから、文章を書くには、健康なからだが要ります。
しかし、一葉は、からだを健やかに保つだけの生活的条件にあまりにも恵まれていませんでした。
それゆえ、みずからのからだを蝕んでしまいました。
そのように、
からだに刻み込むようにして記された文章というものを、
わたしたちが発声するとき、
口先だけで発するのではなく、
充分な健康をもって、
全身をもって発するときにこそ、
文章はその精神を顕わにしてくれるということです。
精神的な仕事というものは、
全身を使っての、
からだまるごとからの仕事からのみ成り立つのだということ。
ひとつひとつの発声で自分自身の立ち位置が決定されてきます。
一文一文、
前方に限りなく広がっている空間にダイヴィングするように、
ことばを発していくことによって、
世界が変わっていくのです。
活路が開かれていくのです。
そして、もうひとつは、
小さなことを丁寧に描くことを、
いくつもいくつも積み重ねることによってのみ、
大きなことを表現することができるのだということ。
具体的なディテールをどんどん描き続けていくうちに、
ぐわっと大きな感情の波が立ち上がってくる。
この作品の奥底に静かに流れているテーマの大きさに触れることができる。
今回の稽古においては、
わたしの方が、
パートナーの千晴にたくさんの細やかな示唆をもらい、
多くのことを学び、助けられました。
地に足をしっかりとつけて、
この手でしっかりと物を摑むが如く、
この目で見、
この耳でじかに聴くが如く、
汗を流し、
涙と血を流すが如く、
このからだを通してこそ響いてくるものを、
ひとつひとつ大事にすること。
どれほどのものが聴いて下さった方々と共有できたのか、
それは未知のものではありますが、
同じ時と場を共に創ることができたような、
そんなこの上ない充実感をわたし自身頂くことができました。
素晴らしいギター演奏をしてくれた清水さん。
司会を務めて下さった大原さん。
受付をひとりでやってくれた志穂ちゃん。
会場の外でお客様を誘導してくれた瓦吹さん、加藤さん。
お客様にお茶の用意をしてくださった愛さん。
暖かいこころでわたしたちの儀式を見守ってくださった石井牧師。
そして来て下さったすべてのお客様。
皆さんのお蔭で公演は成り立ちました。
かさねがさね、本当にありがとうございました。
またこれからも言語造形の舞台を創りつづけていきますので、
どうぞ、どうぞ、よろしくお願いいたします。
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