2016年03月08日
ことばと子どもの育ち(2)〜ことばの三つの内実〜
わたしたちは、ややもすると、
ことばを通して、「考え」だけが伝わればいい、
情報だけが伝わればいいと言わんばかりの、
言語生活を送ってはいないでしょうか。
「考え」を伝えること、そして情報を得ることは、
現代を生きる誰にとっても大切な事には違いありません。
しかし、そもそも、ことばとは、
発する人の「考え」だけでなく、「感情」をも、「意欲」をも、
その人の「生命力・いのちの力」に乗せて伝えようとします。
その人の考え、感情、意欲が三つ巴になって運ばれてこそ、
ことばです。
幼い子どもは、ことばを全身で聴いています。
大人のように耳だけで聞いているのではありません。
全身が耳です。まるごと感覚器官なのです。
全身でことばを聴き、ことばに抱きしめられながら大きくなってゆきます。
子どもが大きくなっていくにつれて、
過度に知的にならないように、
感情というものに鈍感にならないように、
型通りの生気のない話し方しかできない人にならないように、
そして、
おおよそ七歳以降、
活き活きと自分自身のことばで、
自分自身の考えていること、感じていること、欲していることを、
だんだんとことばにしていくことができるように、
傍にいる大人は自分自身のことばに少し意識的になることができます。
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