寒さが緩み、風に春の訪れを感じた今朝、
我が国最初の天皇、神武天皇が、
天皇即位の祭り(大嘗祭)を、
いまからおよそ二千六百七十年以上前になされた場所に行ってきました。
奈良県櫻井市の等彌(とみ)神社に控える鳥見山の、
その頂きにある靈畤(まつりのには)です。
樹々のあいまから覗く春の青空と輝く陽の光りにまみえながら、
山道を登りに登って辿りついたその畤(には)は、
誰もいず、しいんとしておりました。
青く広がる大空と、
この靈畤(まつりのには)という小さな小さな場の間に、
太古の昔から今も引き続いているような精神的な働きが、
盛んに行き来し、呼応しあっていることを全身で感じ、
こころをひそめ、
山を降りてきました。
祭りの場、それは、神との交流の場であり、
また、舞台芸術の原型を造形していた場であること。
いまは見失われているかのような、
我が国の信仰のあり方を、
舞台芸術とのかかわりのなかで、
もっと探っていこう、
そう考えながら、山を降りてきました。
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