今週の土曜日11月14日のわたしたちの公演『十三夜』が迫ってきました。
振り返ると、随分と苦しみながら稽古を続けてきました。
でも、舞台本番まであと一週間となって、
なぜだろう、厚い雲を突き抜けて、
遥かな青空とお日さまの光にまみえるようなこころづもりを、
どこかからか頂いています。
今回、わたしは公演の前半において、
主人公お関という女性の父親役でもありますが、母親役をも務めます。
母親というものが、いかに、その娘に影響を与えているか。
この物語に言語造形を通してつきあい続けていく内に、
そのことを感じざるを得なくなりました。
母親の考え方、感じ方、ものの言い方が、
娘のありかたに、深く、深く、影響し、
それは娘の人生を、結婚生活を、左右するほどにもなること。
このような親と子、母と娘という、
切っても切れない縁のなかで密かに醸成される人というものが、
女と男、妻と夫という、
切ることも可能な縁において、
どのように己れのこころを育み、
生きていく道を見いだしていくことができるのか。
そんなことを、この作品は、
そのことばと文体から引き出される響きと息遣いを通して、
120年の時間を超えて、
改めてわたしに教えようとしてくれています。
この物語は、人というものを感じ、考える上で、
そのほかの様々な視点からも描かれているように感じています。
樋口一葉、まことに、まことに、恐るべしです。
耳でお聴きになって、全身でお聴きになって、皆さんの内側に、
どのような人間像と人間ドラマが立ち上がってくるのか。
皆さん各々の胸のうちで、新しく語りあう時が生まれたら。
そう、希っています。
ぜひ、聴きにいらしてください。
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樋口一葉がこの作品を一気呵成に書き上げたのは、満23歳のとき。
それから一年後に彼女は肺結核でこの世を去りました。
今からちょうど120年前にものされたこの作品を、
秋の静かな深まりの中、生の声による語りで聴いていただきます。
教会という聖なる空間に織りなす一葉のことばの世界を、どうぞお楽しみください。
■日時 2015年11月14日(土) 開場14時 開演14時30分
■出演 語り:諏訪耕志 諏訪千晴
ギター: 清水久芳
■会場 日本聖公会 大阪聖アンデレ教会 (桃山学院高等・中学校 隣)
http://st-andrew-osaka.com/access/access.html
地下鉄御堂筋線「昭和町」駅 3番出口より南へ徒歩6分
JR阪和線「南田辺」駅 北西に徒歩10分
※駐車輪場はありませんので、お車や自転車でのお越しはご遠慮くださいませ。
■入場 ご予約 大人 2500円 中高生 1000円
当日 大人 3000円 中高生 1500円
■お問い合わせ・お申込み ことばの家 http://www.kotobanoie.net/pray.html#13n
(このページにある専用フォームにてお申込みいただけます)
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