2015年05月04日

こころのこよみ(第5週) 〜セザンヌ 画家の仕事とは〜 (再掲)


トロネの道とサント・ヴィクトワール山.jpg

リンゴとナプキン.jpg

首吊りの家.jpg

庭師ヴァリエ.jpg

座る農夫.jpg

大水浴図.jpg




精神の深みからの光の中で、

その場その場で実り豊かに織りなしつつ、

神々の創りたまうものが啓かれる。

その中に、こころそのものが顕れる、

ありありとした世へと広がりつつ、

そして立ち上がりつつ、

狭い己の内なる力から。




Im Lichte, das aus Geistestiefen
Im Räume fruchtbar webend
Der Götter Schaffen offenbart:
In ihm erscheint der Seele Wesen
Geweitet zu dem Weltensein
Und auferstanden
Aus enger Selbstheit Innenmacht.



画家とは、何をする人なんだろう。
セザンヌの絵を観て、そのことを考えさせられる。

道楽で絵を描くのではなく、
「仕事」として絵を描くとは、どういうことか。

セザンヌのことばによると、
「感覚を実現すること」、
それが彼にとって絵を描くことによってなしていきたいことであり、
彼の「仕事」だった。

彼が強い意欲をもって、ものを見ようとすればするほど、
ものの方が、彼をじっと見つめる、
自然が自然そのものの内に秘めている持続的な、強い、時に巨大な「もの」を彼に流し込んでくる。
それはすでに感官(目や耳などの感覚器官)を超えて受信される「もの」である。

そして、
自然からのそのような「もの」の流れに応じるかのように、
あまりにも巨大なセザンヌ自身の「こころそのもの」が顕れる。

その場その場の自然から流れ込んでくる「もの」。
そして、立ち顕れてくる彼自身の「こころそのもの」。
そのふたつの出会いそのものを、
キャンバスの上に、色彩で顕わにしろと、彼は自然そのものに求められる。

その求めに応えるのが、「感覚の実現」であろうし、彼の仕事であった。
その求めに応え続けたのが、彼の生涯だった。

世は、人に、
「その場その場で実り豊かに織りなしつつ神々が創りたまうもの」を啓いてほしいと、
希っている。

なぜなら、それによって、
人は、
「 狭い己の内なる力から、
 ありありとした世へと広がりつつ、
 自分の足で立ち上がりつつ、
 自分自身のこころそのものを顕わにする」ことができるからなのだろう。

セザンヌは、そのことを、意識的になそうとした人だと感じる。



精神の深みからの光の中で、
その場その場で実り豊かに織りなしつつ、
神々の創りたまうものが啓かれる。
その中に、こころそのものが顕れる、
ありありとした世へと広がりつつ、
そして立ち上がりつつ、
狭い己の内なる力から。



posted by koji at 18:47 | 大阪 ☁ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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