人というものの内へと
感官を通して豊かさが流れ込む。
世の精神はおのれを見いだす、
人のまなこに映る相(すがた)の中に。
その相(すがた)から力が、
きっと新たに汲み上げられる。
Ins Innre des Menschenwesens
Ergießt der Sinne Reichtum sich,
Es findet sich der Weltengeist
Im Spiegelbild des Menschenauges,
Das seine Kraft aus ihm
Sich neu erschaffen muß.
より目を開いて、より耳を澄まして、
ものごとというものごとにじっと向かいあってみれば、
ものごとは、より活き活きとした相(すがた)をわたしに顕わしてくれる。
わたしが花をそのように観ているとき、
花もわたしを観ている。
そして、わたしの瞳の中に映る相(すがた)は、もはや死んだものではなく、
ますます活きたものになりゆく。
また、その活きたものになりゆく相を映すわたしの瞳も、
だんだんとそのありようを深めていく。
物理的なものの内に精神的なものを宿すようになる。
花へのそのようなアクティブな向かいようによって、
わたしみずからが精神として甦る。
そして、その深まりゆくわたしの内において、
花の精神(世の精神)が甦る。
花の精神は、そういう人のアクトを待っている。
「待つ」とは、
そもそも、神が降りてこられるのを待つことを言ったそうだ。
松の木は、だから、神の依り代として、特別なものであったし、
祭りとは、その「待つ」ことであった。
中世以前、古代においては、人が神を待っていた。
しかし、いま、神が、世の精神が、人を待っている。
世の精神が、おのれを見いだすために、
わたしたち人がまなこを開くのを待っている。
人というものの内へと
感官を通して豊かさが流れ込む。
世の精神はおのれを見いだす、
人のまなこに映る相(すがた)の中に。
その相(すがた)から力が、
きっと新たに汲み上げられる。
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