2015年03月05日

『普遍人間学を読む会 第一講B』〜静かさの中に生きる子ども 〜


s-CIMG0077.jpg



大阪と和歌山で開いています『普遍人間学の会』。

そこでの講義は、二時間半から三時間をかけて一文一文じっくりと読んでいき、三つか四つの段落を読み進めていく、そんなペースで進められています。

ここでは、その講義の中のエッセンスの一部のようなものをお伝えできればと思っています。

依然、シュタイナーによる第一日目の講義からです。

子どもを育んでいこうとするわたしたちの課題。
前回では、それはわたしたち大人自身が、いかにエゴイズムから自由になりゆくことができるか、と言うことでした。

その課題を、そこから派生しながら、別の観点で、より具体的に観ていきます。

わたしたちの教育の課題は、子どもの精神・こころを、からだと調和させるということです。

その調和のためには、呼吸というものが、とても重きをなします。

わたしたちは、子どもの傍で、歌を歌い、お話を読んだり語ってあげたりすることができます。
また、ものを観る時、聴く時、ものに触れる時、ものを扱う時、ものを言う時、わたしたちは深い息遣い、活き活きとした息遣いで、それらの行為をなしていくことができます。

その時になされるわたしたち大人の息遣いが、子どもの息遣いをおのずと整えていくのです。

その整えられた息遣いは、その子の胸の領域から下腹部を中心とする新陳代謝を司る領域に働きかけ、その子の血の巡りを促し、臓器を健やかに成り立たせていくことの助けになります。

さらに、呼吸の働きが持つより大事な側面として、呼吸のリズミカルな繰りなしは、頭を中心とする神経・感官のシステムにも働きかけていき、その子が、深い息遣いで、静かに、ものを観、ものを聴き、ものに触れることのできる力をみずから育んでいくことを支えていきます。

子どもが静かさの中で世に生きることを、理屈からではなく、息遣いというおのずからの働きによって学んでいくことができるのです。

その子の精神・こころが、その子のからだ(とりわけ神経・感官のシステム)に健やかに流れ込んでいくことによって、その子は静かさの中で生きることを学んでいきます。

精神・こころとからだの間にハーモニーが生まれてくるのです。

子どもの息遣いは大人の息遣いからなりたっていきますので、わたしたち大人の意識次第で、そのハーモニーが子どもの中に生まれることを助けることができます。

教師の方だけではなく、子どもをを持つ親御さんの方々とも、この意識を分かち合っていくことができたらと希っています。

家庭こそが、子どもの育ちにとっての無尽蔵に豊かな場所です。


___________________________________

●『普遍人間学を読む』クラス
 
 日時:大阪市住吉区帝塚山 第二水曜 午後13時30分〜15時30分
    和歌山県岩出市   第二土曜 午後13時00分〜15時00分
 参加費: 毎回2,500円  6回連続12,000円
 
 ※ご参加される前に本のご購入をお願いいたします。
  次のサイトでご購入いただけます。
  精巧堂印刷所 http://www.seikodo-store.com/show1.php?show=b0031
 
 場所・お問い合わせ・お申込み: 
 帝塚山クラス ことばの家 http://www.kotobanoie.net/access.html
 岩出クラス  モモの会 http://momo-society.org/contact.html
 
 講師: 諏訪耕志 http://www.kotobanoie.net/profile.html






posted by koji at 10:40 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 普遍人間学を読む会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
■ 新着記事
ご先祖供養こそ我が国の信仰の営み (09/09)
見えないものを観る力を育む 聞こえないものを聴く力を育む (09/07)
こころのこよみ(第24週) (09/07)
衝動や情念や欲望を無理やり抑え込まないこと (09/05)
幼児教育の重要性とカルマの働き (09/03)
写真という信仰の道 〜日高 優著「日本写真論」〜 (09/03)
日本昔話 月見草のよめ (09/02)
2024年9/29「ミカエルの祭りの調べ」からの毎週日曜夜『こころのこよみクラス』へのお誘い (09/02)
こころのこよみ(第23週) (08/31)
カルマと自由は両立する (08/30)
■ カテゴリ
クリックすると一覧が表示されます。
ことばづくり(言語造形)(235)
アントロポゾフィー(178)
断想(560)
講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告(437)
動画(309)
アントロポゾフィーハウス(92)
声の贈りもの(5)
うたの學び(88)
神の社を訪ねて(37)
こころのこよみ(魂の暦)(468)
読書ノート(71)
絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真(40)
ことばと子どもの育ち(13)
「ことよさしの会」〜言語造形に取り組む仲間たち〜(11)
わたしの来し方、行く末(3)
■ 最近のコメント
待ち望まれてゐることばの靈(ひ)〜「こころのこよみ」オンラインクラスのご案内〜 by 諏訪耕志 (04/03)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 by (04/09)
12/10(土・夜)12/11(日・朝)オンライン講座「星の銀貨」を通して〜人への無理解と憎しみについて〜 by アントロポゾフィーハウス (12/07)
穏やかで安らかなこころを持ち続けること、しかし、目覚めること by 諏訪耕志 (04/23)
教育の根本 by 諏訪耕志 (06/21)
■ 記事検索
 
RDF Site Summary
RSS 2.0