2015年01月28日

舞台の上での批評 〜2/1(日)公演『夕鶴』を前にして〜


夕鶴初の舞台稽古.JPG




今週日曜日に行います五年ぶりの再演『夕鶴』。
木下順二の戯曲から、五年前には気づかなかった新たな魅力、意味がわたしたちに立ち顕れてきています。

男と女というもの。
金の魅力とその価値観を粉砕し無化してしまうほどの何かへの予感。
おさな子たるところと如才なさとの間の往復。
精神の高みへの憧れと拒否。
人と神とのかかわり。
人と悪魔とのかかわり。
そして、わたしたち日本人と神とのかかわり。

それは、頭による作業からだけではなく、こころからの、からだまるごとからの、ことばというものへの取り組みを通して、戯曲自体が語りかけている声をわたしたち演者が聴き取っていく作業から生まれてくるものです。

言語造形というものを通して舞台芸術を創り上げていくことの何よりの魅力は、何度も何度も声を出し、稽古を重ねていくことで、ことばというものをからだまるごとで洗い直し、その行為の繰り返しによって、思いもかけないことばの深み、作品の深み、人が生きることの深みがだんだんと顕わになってくる、ということです。

時間の積み重ねの中で、作品が変容していく。
作品に秘められているものがだんだんと顕わになっていく。

物語や戯曲や詩という言語芸術の批評が机上でなされるのではなく、稽古場の中で、舞台の上で、なされる、ということに大きな魅力を感じています。

わたしたちが聴き取りつつあるものと、劇を観て下さり、聴いて下さる方々が聴き取るものとが、どう重なり、どう隔たるか。

小学生も聴きに来てくれます。
彼らの精神に響くような舞台となることを念じて。

わたしたち自身、その邂逅をとても楽しみにしています。


_______________________________________

■ 日時 2月1日(日) 開場 13:30 開演 14:00 
 
■ 会場 大阪市立市民交流センターすみよし北 大ホール
     http://www.sumiyoshikita.jp/access.html
     南海高野線「住吉東」駅より北東へ徒歩5分
     阪堺上町線「神の木」駅より、東南へ徒歩約3分
 
■出演  塙狼星(与ひょう) 諏訪千晴(つう) 松田美鶴(惣ど) 諏訪耕志(運ず)
 
■演出  諏訪耕志(「ことばの家」主宰)
 
■特別出演 諏訪夏木 諏訪かさね
 
■ 入場  ご予約 大人2000円 小中高生500円
     当日  大人2500円 小中高生800円
 
■ お問い合わせ・お申込み  ことばの家 http://www.kotobanoie.net/pray.html#yuzuru

■出演者プロフィール

与ひょう: 塙 狼星(はなわ ろうせい) 
一九六三年兵庫県宝塚市生まれ。京都大学大学院時代から二〇一一年三月まで、同志社大学などにて人類学関連の科目の非常勤講師を務める。不惑を過ぎた二〇〇四年から社会実践への意識が高まり、アントロポゾフィーと言語造形の学びを始め、二〇〇六年に「空堀ことば塾」を立ち上げ、現在、上本町と帝塚山にて小中高生たちの教育に携わっている。

つう: 諏訪 千晴(すわ ちはる)
一九七八年神奈川県生まれ。二〇〇三年に言語造形と出会い、二〇〇八年に芥川龍之介「藪の中」で初舞台。趣味は、木登り、巣作り、庭いじり。からだを使うこと。ことばを綴ること。最近特に夢中なのは「文通」。

惣ど: 松田 美鶴(まつだ みつる) 
京都市生まれ。十年ぶりに諏訪さんから言語造形を教わっています。ドラマは初めてです。鶴を見ようと天王寺動物園へ行きましたら、たくさんの種類がいました。野生の鶴が飛ぶ姿をいつか見たいものです。

運ず: 諏訪 耕志(すわ こうじ) 
一九六四年大阪市住吉区生まれ。一九九四年よりシュタイナーハウスにて言語造形家鈴木一博氏に師事。二〇〇四年より「ことばの家」として関西を中心に自身の活動を始める。言語造形の舞台、ワークショップ、アントロポゾフィーの講義などを通して活動中。モダンジャズの魅力に最近目覚める♪




posted by koji at 22:42 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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