ここ十日間以上、風邪をこじらせてしまい、2月1日の公演に向けての稽古をしては寝込み、稽古をしては寝込み、という毎日。
風邪をひいたとき、以前ならば熱がぐっと上がって、汗としてからだの内側にあった余計なものが出ていってくれたのですが、今回は熱も上がらず、しかし常に微熱があるような感じです。
そんな体調の中、想いはぐるぐると同じようなところを廻るばかりで、少しも明瞭さに辿りつかない。
自分にしては、おそらく生まれて初めての、二週間近くのそんな経験でした。
今朝、からだを奮い起こして、また稽古に臨んでみました。
「人生は短し、されど芸術は永し」
改めて、そんなことを念いました。
ことばの響きに耳を澄ませていると、その音が希んでいる動き、かたちが見えてきて、「もっと、こう、動けるんじゃないか」とか、「ほら、もっと、こう、かたち造れるよ」というように、ことば自体が人を促してくれるのです。
そんな、ことばというものがそもそも持っている特性を引き上げたい。
からだの具合がどうであれ、人生の長さがどれぐらいであれ、その仕事に取り組んでいけば、このからだもまた動き出してくれるだろうし、このからだが動き続けるまでこの仕事をやっていけばいいんだ。
そんな意欲がまた起こってきました。
わたしたち人が、ことばというものを卑俗さから高貴さに引き上げる仕事をするほどに、
ことばという芸術が、わたしたち人を健康と不健康を超える地点へと引き上げてくれる。
そう感じました。
2015年01月22日
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