2014年04月23日

ようやく辿りついた一枚 『The John Lewis Piano』

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モダン・ジャズ・カルテットのピアニスト、ジョン・ルイスが1956年から57年にかけて録音したソロ・アルバム『The John Lewis Piano』

去年の秋、突然、ジャズ(特に1950年代のモダン・ジャズ)の魅力にとりつかれて、中古レコード屋に通うことが楽しみのひとつになってしまった。
12歳から20歳ぐらいまでロックに完全にこころを奪われていたけれど、50歳を前にして、今、こんなにもまた音楽に夢中になっている。
そうしてだんだんとコレクションが増えていき、100枚を超えるぐらいの時、漸くこのレコードに辿りついた。

両の掌にくるまっていた小さな鳥が、ゆっくりと指が緩められ開かれるにつれて、だんだんと羽を広げてゆくように、一曲一曲のうちに心地よい緊張と弛緩が密やかに静かに繰りなされる。

夜の帳が降りて窓の外も心の内も昼間の喧騒が静まり、部屋の中で椅子にひとり座っているとき、自分にこれほど寄り添ってくれる音楽はない、と思ってしまう。
何度も何度もターンテーブルに載せている。
これまでは音楽はできる限り大きな音で聴きたいと思ってきたのだけれど、このレコードはボリュームを絞ってジョンのピアノの音がまるで遠くから聴こえてくるような聴き方が好きだ。

おそらくビル・エヴァンスほど細い指ではない。
しかし、その太いけれどもしなやかな黒い指先には音楽の神が宿っている。
音数少なく紡いでいく彼の響きの向こう側に、感情の新鮮な昂り、喜びと悲しみが聴こえてくる。


posted by koji at 00:25 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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