二十一世紀美術館の地下にあるシアター21での『宮沢賢治 春と修羅と おきなぐさ』公演。
たやさんの息づかいを聴いていて、「これだ、これだ」と嬉しくなる時間でした。
数ある作品の中で、とりわけ、「春と修羅」「童話 おきなぐさ」では、空間の中を充分な広やかさをもってことばが羽ばたき出し、一音一音が輝き出し、聴いている者の息遣いとこころもちまでも解き放ってくれるのでした。
そんな風にことばが響いてくれると、わけもなく、嬉しく、おかしくなって、つい笑いがこみあげてくるのです。意味以上にことばの響きが持つ精神が活き活きと行き交っている時、つい笑ってしまうのです。
そして、二年前に東京から能登に移り住み、米作りをしながら言語造形という芸術に取り組みつづけているたやさんの、パーソナリティーや人となりをもっと超えたところの、精神そのものに出会えたような感覚があって、舞台というもの、とりわけ、この言語造形の舞台というものは、「人」に出会うことのできる、かけがえのない場であることを強く感じました。
生きて働いている人の身の奥底からおのずとにじみ出ている、精神そのものとの出会いです。
きらびやかさや豪華なセットなど何もない空間で、「人」だけがいる。「人とことば」だけがある。
そんな出会いは、表面のところではない、思いもよらないほどの深い処で、人と人とを繋ぐのではないか。
外は寒い風と雨が吹きすさぶ一日だったのですが、「金沢に来て、たやさんの公演を聴けて、よかったなあ」、そう心底思いました。
こうして、だんだんと、日本のいろんな処で、言語造形公演を聴くことができてゆくことを願っているものだから、昨日のような公演を聴けて、本当に嬉しい。
たやさん、そして、ライアー演奏の村上さん、本当にありがとうございました。
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