
今日も百年長屋での『古典(源氏物語)に親しむ夕べ』に参加した。
http://nagaya100.sblo.jp/article/88213527.html
わたしたち現代人にはとても難解に見えてしまうことば遣いで編まれている『源氏物語』。
近づきたくても、機会が見いだせなくて、きっともどかしい想いを抱いていた大人たちが、今日も集まられていた。
初めて触れるのにもかかわらず、すんなりと物語の世界に導く山崎方典先生の解説と朗読。
原文の響きが持つ、日本語の奥行、細やかさ、ふくよかさ・・・。
講義が終わった後も、じんわり、しんみりと、味わいが後を引く、素晴らしい時間だった。
人はなんと繊細で揺れやすいこころというものを持ちつつ生きている存在か。
「帚木」の巻での空蝉という女のあり方に、そしてその女の性(さが)を引き出してしまう光源氏の君という男のあり方に、色々と想いを潜めつつ家に帰ってきた。
そして、変な言い方だけれども、百年長屋という空間自体が今日のような時間を持てていることをとても喜んでいる、そう改めて感じた。
本当に他では得難い時間と空間。
今日のような滋味深い学びの喜びを分かち合う人が、だんだんと増えていき、百年長屋がますます生命を、いのちを、孕んでいきますように。
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