ラフカディオ・ハーンの『おしどり』、森鴎外の『寒山拾得』、梶井基次郎の『闇の絵巻』など、参加された皆さんが持ってきて、語ってくださった数篇の物語。
息を解き放ちながら、
語り始めたら腰を一切引かずに最後まで前進し続けるかのように声にして響かせると、
本当に鮮やかな情景と深みを湛えた情感が自然に立ち上がってくる。
それぞれの作品の表面を読んだだけでは読み取れなかったことがらが、
だんだんと、どんどんと、顕わになってくる。
そして、その時、声を出しているその人が本来持っている輝きもが顕わになってくる。
他人の前で声を出すことがとても苦手だと言っていた方さえも、
いや、むしろ、そういう方の方が、
本当は声を出すことの喜びをこころの奥底から求めていて、
言語造形のレッスンが進むごとに、
伸びのある声の響きと共に、華が開くようにこころとことばが羽ばたきだす。
おひとりおひとりの選んだ作品を通して、
その方ならではの味わいと趣が、
そこはかとなく、また、時にはっきりと、感じられる。
言語造形のワークショップは、
作品がそもそも持っている深みと、
声を出す人がそもそも持っている輝きを、
だんだんと引き出していく共同作業です。
今日も本当に楽しい作業でした。
百年長屋に集まってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
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