水曜日の午後4時から始めている「帝塚山演劇塾」では、
まず、子どもも大人も、
からだまるごとを使ってことばを発声していくことから始めている。
全身が声になるほどに。
小学生の一年生と二年生の子どもたちが、
ライゲンで歌い、踊ることから始め、
学校の宿題である国語の教科書に載っている文章や、
工藤直子さんの詩集『のはらうた』を全身で動きながら音読した後、
原文で語られる『古事記』『古今和歌集』『平家物語』『論語』を復唱したり、
ことばのシャワーを浴びるように全身で聴いている。
その時の子どもたちの表情から、
昔の古典文学作品は、いまも、生きていることを、まざまざと感じさせてもらえる。
子どもたちは、
頭の知性で、それらの作品から発せられることばを聴いていない。
からだで、リズムと息遣いを感じながら、
こころで、時にそこはかとなく時に強烈な情緒を感じながら、
古典作品を原文で味わっている。
解釈したり、意味を追って跡付けたり、歴史的背景に目配せをすることなど全くせず、
ことばの世界に、文学の世界に、ダイレクトに入っていく。
そこには、人が記した、いのちとこころの漲りが、いまも、息づいているのだ。
そんな世界に、大人が飛び込もうとするからこそ、
子どもも一緒になって飛び込む。
からだの体験、感覚の体験を通して、
ことばと結びついていく。
そんなことを演劇塾で験している。
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