2025年01月12日

もののあはれを知る人を育てる教育 〜宮城蔵王 ひのみやこ 主催 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座〜



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冬のさなか。こころの内なる空間が、濁りをだんだんと去って、澄みわたる季節。こころの内の透明度が増してゆくように感じるのですが、皆さんいかがでしょうか。


今年の五月から始めます「宮城蔵王 ひのみやこ主催 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座」。


わたしは、シュタイナー教育の基礎となる人間学「アントロポゾフィー」、そしてことばの芸術「ことばづくり(言語造形)」を担当させてもらいます。


さらに、この教員養成講座は「日本文化に根ざす」という副題を冠しています。


そのことの意味を述べることをしますと、本当に、多くのことばを費やしてしまわざるをえないのですが、今日は、そのうちのひとつを述べさせていただきたいのです。(それでも、こんなに長いものになってしましました。ごめんなさい!)


それは、人が「ひと」として育ちゆくということが、その人の内にどれほど、「ことば」が育っているかということとひとつであるということなのです。


ことばとは、外側に飾りとして身につけるものではなく、母から与えられた母国語を通して、こころの内側からの生命を生きるものなのです。


日本人ならば、日本語を通して、おのれのいのちを生きるのです。


ことばを飾るのではなく、ことばをどう生きるか。日本語をどれほど深く、豊かに、活き活きと生きるか。


そのことが、人が「ひと」になりゆく上で、実は、欠かせない道なのです。


「ひと」ということばは、靈(ひ)が宿り、留(とど)まり、灯(とも)る存在のことを言う、古い日本語です。


靈(ひ)が灯るとき、初めてその存在は「ひと」になります。つまり、「ひと」とは、わたしたちの理想を言い表すことばなのですね。


そして、シュタイナーから生まれた靈(ひ)の学び(精神科学)「アントロポゾフィー」は、別名、「ひととしての意識」とシュタイナー自身が言っています。つまり、靈(ひ)の灯っているおのれを意識すること、靈(ひ)の灯っているおのれを知りゆくこと、それが、アントロポゾフィーの道なのです。


日本においては、その靈(ひ)を灯すのはことばであるということが、とりわけ、引き立てられたのでした。そして、その灯った靈(ひ)のことを「言霊(ことだま)」と呼びました。


その「言霊」に親しむこと、通われること、結びつくこと、そのことが人生を貫くひとつの道だったことが、歴史に残る文献や芸術作品からはっきりと知ることができます。


そのことを最初に意識的にまとめ上げたのが、江戸時代の本居宣長です。


わたしには、同時代に、ゲルマン精神に靈(ひ)を見いだそうとしたゲーテと相通じるところがあるように思われてなりません。


宣長の歌論『あしわけ小船』や『石上私淑言(いそのかみささめごと)』を読みますと、本当に勉強になるなあ、と今朝もため息をついていました。


そう、この「ため息」。この「ため息」「嘆息」をつくときの人のこころのありようを表すことばをこそ、「あはれ」と言うのだと宣長は説いています。


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阿波礼(あはれ)といふ言葉は、さまざま言ひ方は変はりたれども、その意(こころ)はみな同じ事にて、見る物、聞く事、なすわざにふれて、情(こころ)の深く感ずる事をいふなり。

俗にはただ悲哀をのみあはれと心得たれども、さにあらず。すべてうれしとも、おかしとも、たのしとも、かなしとも、恋しとも、情(こころ)に感ずる事はみな阿波礼(あはれ)なり。


♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾


「あはれ」とは、まさに、なににつれ、「あぁ・・・」と胸から、こころから、息が吐かれるときに湛えられている情のありようです。


その吐息には、どれほど、その人の嘘のない、まごころが籠められていることでしょう。また、籠もってしまうことでしょう。


息を吐いてみる。声に出してみる。ことばにしてみる。


そのように、人は、おのれの内にあるものを外に出して、初めて我がこころを整えることができ、鎮めることができる。そうして、ようやく、自分自身に立ち戻ること、立ち返ることができる。


さらには、外に響くことばの調べをより美しく整えて行く。その吐息に乗って、整えられたことばづかい、それが和歌(うた)です。


不定形だったこころのありさまを、和歌(うた)として整えられた調べへと造形することによって、人は、「もののあはれを知る」ことができるのでした。それは、「おのれを知る」ということへとおのずから繋がってゆき、さらには、「人というものを知る」ことへと、道は続くのです。


その和歌(うた)に習熟していくことによって、人はますます「もののあはれを知る」人になりゆくのだと。


本居宣長は、そのような、この国の歴史の底にしずしずと流れていることばの生命力を、ひとりひとりの人がみずから汲み上げることの大いなる価値を、その生涯の全仕事を通して謡い上げ、語り尽くしたのです。


わたしは、これからますます、この「もののあはれを知りゆく」ことが、子どもから大人にいたるすべての人にとっての最もたいせつな教育目標であると考えています。


日本人が日本人であること、それは、「もののあはれを知る」人であるということなのです。つまり、情の豊かさを生きつつ、その豊かさを豊かさと「知っている」人であるということなのです。世界にも他にあまり例をみない、言語化された人間観です。そして、これからの世界をある意味、新たな次元へと導いて行く世界観ではないでしょうか。


そのためには、国語教育、文学教育が、どれほど重きをなすことでしょう。


小学校へ上がる前は、たっぷりと、昔話やわらべ歌、美しい詩歌や和歌を全身で聴くことができるように、そばで大人が語り、詠ってあげる。


小学校へ上がってからは、子どもたち自身が全身で詠う和歌(うた)や神話の朗唱から授業を始めるのです。ことばの意味は措いておいてもいい。まずは、ことばの流れるような調べを、先生の声、自分自身の声の響き、震えを通して、全身で味わうところから。そうして、国語の授業だけでなく、色々な授業を通して、ゆっくり、だんだんと、自分自身のことばを整えてゆくことを学んで行く。


ことばを整えてゆくことによって、子どもたちは、自分自身のこころを整えてゆくことを学んで行くことができるのです。


こころとことばとが、ひとつに重なること。これは、本当にたいせつなことです。


なぜなら、人は、ことばによってこそ、ものを考え、「もののあはれ」を感じ、自分自身のこころを決めること、意志の遂行をなしとげるからです。


吐かれる息づかいに、顔に表れる表情に、することなすことに、その人のこころのありようが写しだされます。


しかし、とりわけ、こころのありようは、すべて、ことばに表れます。選択されることばの趣きに、発せられることばの響きの後ろに、表れます。


小学校時代には、知識を詰め込むのでもなく、知識に取り組むのでもなく、外なる世に現に向き合っている自分のこころに豊かな情が育ってゆくことこそを、子どもたちは求めています。その情の育みのためには、こころとことばが美しく重なった言語生活が最もものを言うのです。


これまで、国語教育では、正しいことばづかいは教えられてきたのかもしれません。しかし、これからは、靈(ひ)に通われた美しいことばづかいを学んでゆくことに、人としての教育の如何が懸かっています。


重ねて言いますが、その美しさは、表面的なものではなく、こころとことばがひとつに重なる美しさです。


和歌(うた)をはじめとすることばの芸術から学びを始めること。美しいハーモニー。調べをもったことばづかい。


宣長は、その日本人が古来たいせつにして来た精神の伝統を意識的に甦らせてくれた人なのです。


わたしたちのシュタイナー教員養成講座は、「ひと」の成長は、ことばの成長と軌を一にしているという、そのことを主眼のひとつとして打ち樹てています。


日本語ということばを守り、日本語を受け繋いで来た歴史を貫く縦の糸と、日本の大地に根ざす農の営みという横の糸とを、共に織りなし合わせ、広くて深い意味での「自然」と繋がる人の生き方を提示して行く、それが、わたしたちのシュタイナー教員養成講座の眼目で、だからこそ、「日本文化にねざす」という副題をつけたのでした。



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1月17日(金)20:30~ オンライントークライブ
(ゲスト:設楽清和 /パーマカルチャーセンタージャパン代表)

1月22日(水)20:30~ オンライン説明会

1月29日(水)20:30~22:00 プレ講座『講義「世は美しい」 & 声のワークショップ・ことばづくり(言語造形)』(講師:諏訪耕志 /ひのみやこ コースリーダー)

2月5日(水)20:30~ オンライントークライブ
(ゲスト:岸 英光 /コミュニケーショントレーニングネットワーク統括責任者)


ご関心をお持ちの方、ぜひ、お気軽に、ご参加下さい。お申し込みをお待ちしておりますね。



.
参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。 (定員5名)
https://docs.google.com/.../1FAIpQLSdPBJ6CPd3RuR.../viewform



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ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
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2025年01月10日

こころのこよみ(第40週)



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そしてわたしはある 靈(ひ)の深みに

焼き尽くす 我がこころの基において

胸の愛の世から

おのれであることの虚しい想ひ込みを

世のことばの炎の力によつて



Und bin ich in den Geistestiefen,
Erfüllt in meinen Seelengründen
Aus Herzens Liebewelten
Der Eigenheiten leerer Wahn
Sich mit des Weltenwortes Feuerkraft.



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第13週】


そしてわたしはある 感官の高みに

ならば燃え上がる 我がこころの深みにおいて

靈(ひ)の炎の世から

神々のまことのことばが

「靈(ひ)の基にて 探し求めよ 御声(みこゑ)に聴きつつ

汝を靈(ひ)の縁(えにし)とともに見いだすべく」



Und bin ich in den Sinneshohen,
So flammt in meinen Seelentiefen
Aus Geistes Feuerwelten
Der Gotter Wahrheitswort:
In Geistesgrunden suche ahnend     
Dich geistverwandt zu finden.




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わたしたちの縄文文明の甦り 宮城蔵王シュタイナー教員養成講座へのお誘い


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我が国における縄文時代とは、アトランティス時代を言います。


アトランティス時代とは、地球人類の頂点を示すような一大文明が起こり、栄え、そして今からおおよそ一万年前に終結したひとつの時代で、その文明の中心地は、いまの大西洋の下に沈んでいる大陸です。


アトランティス大陸の水没後、その文明の中心はインドからペルシャへ、エジプトへ、ギリシャ・ローマへと、ユーラシア大陸を西へと進みゆき、現在はその文化的中心はゲルマンの地、つまりヨーロッパの中心へと至っています。


そのように、アトランティス文明の没落後の人類の文明の変遷は、確かに、ユーラシア大陸を舞台にして繰り広げられてきたのですが、その展開を共にしていない国があるのです。


それは、日本です。


日本は、実は、アトランティス文明、つまり、一万年前まで栄えていた縄文文明のよきあり方を保持しながら、ゆっくりとその後の文明のあり方へと独自に進んで来た、他にはない特異なところであり、ユーラシア大陸で繰りなして来た文明の進み方とは歩みを異にし、その縄文のあり方、アトランティスのあり方を未来に甦らせることで新しい文明をリードする役目を負っている国であります。


アトランティス時代は地球人類の頂点を示す文明が栄えた時代であり、それは我が国の縄文時代においてもそうだったと書きました。


それはどのような文明だったのでしょう。


そのことをわたしたちはこのシュタイナー教員養成講座で改めて学び直し、そして、これからの時代、わたしたちはどのような生き方へと進んでゆくことができるのかということについて共に考え、それぞれの場でその新しい意識を子どもたちと共に生きてゆきます。


明治維新を前後とするあの時代から、わたしたちの甘受せざるを得なかった運命のもと、わたしたちはわたしたちならではの根源のあり方を忘れ、混乱に混乱を重ねて現代を生きています。


しかし、21世紀も四半世紀を過ぎようとしている今年、その根源のあり方を新しく見つめ直し、学び直し、その上で新しい意識をもって世界を精神的にリードしていく靈(ひ)の文化・文明を打ち樹ててゆく機縁にわたしたちは恵まれようとしている、わたしにはそう感じられてなりません。


縄文の生きた痕跡が残っている宮城県蔵王町。


そこにてこのような学びができることの祝福を共にしませんか。




【ひのみやこの舞台蔵王ってこんなところ@】
ひのみやこシュタイナー教員養成講座の舞台蔵王町は縄文時代から暮らしの営みがあった町です
会場のすぐ近くには、蔵王町最古と言われ8000年くらい前の縄文遺跡(明神裏遺跡)があります。
この明神裏遺跡を起点に、6000年前くらいまでは、※青麻山の東嶺や南嶺が活動地だったようです。
※青麻山とは蔵王連峰東麓に位置する山。昔は修験道の聖地として山岳信仰の対象になっていました。
なぜ縄文人がこの地を暮らす場所に選んだかというと、水が豊かで山にはどんぐりや栗の実がなりそれを食べる獣たちがたくさんいて、彼らにとっては豊穣の地だったと言われています。
そこでは、森の恵みを享受しながら、竪穴住居に住み、土器を作ったり、まつりが開かれ、日本の営みの原点のような暮らしを送っていたようです。
そんな土地で、日本文化に根差すシュタイナー教員養成講座が開かれ、何かに導かれるように学び舎ができていくことは偶然ではなく、必然なのかもしれません。




ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
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posted by koji at 21:57 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月09日

自然に包まれて



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冬本番になって来て、山の上に拡がる空の美しさを毎朝仰ぎながら生きています。


昨年暮れのクリスマスからお正月を超えて、ひとり、部屋にいるとき、どこか透き通るような考えに恵まれるような日々を過ごしているように思えます。本当にありがたいことです。


どこにいようとも、いつであろうとも、自然はわたしを包み込み、貫いてくれている。そして、最も豊かで密やかな自然が一番近くにある。それが、自分のからだです。このからだを、こころをこめて用いれば用いるほど、その働きは豊かなものをこころにもたらしてくれる。


こころをこめて目を用いれば、神からいただいた目という自然がこころに密やかに「徳」という靈(ひ)の質をもたらしてくれる。


こころをこめて耳を用いれば、神からいただいた耳という自然がこころに密やかに「聖」という靈(ひ)の質をもたらしてくれる。


「徳」は目の働きに順(したが)い、「聖」は耳の働きに順う。


漢字という文字が人に教えようとしてくれていることにも、耳を澄ますことができます。


目という自然も、耳という自然も、唯物的感覚に裏打ちされた情報を仕入れるためだけに使われるのではなく、そのようにこころをこめて用いられることで、人のこころに、深く、豊かで、澄んだ情と考えを育むことができます。


からだという自然は、偉いものです。その自然は、こころを込めて使われるほど、靈(ひ)から働かせられるほど、その機能を深化させます。


我が身を包み、通い、貫いてくれている光や風や水といった自然。そして、自分自身のからだという自然。さらには、それらすべてを内において支えている靈(ひ)という目には見えない自然。


それらすべての自然に包まれてあることを感じ、すべての自然とこころからつきあい、すべての自然をていねいに用いることで、わたしたちに与えられている感官という感官を養うことができます。そのような感官の養いは、こころを整え、律し、靈(ひ)の拡がりと高みへと導きます。からだの感官を超えて、こころの感官、靈の感官を養うことへと道が続きゆきます。


冬のさなか、そのことを感じています。





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2025年01月07日

無名の美



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ひととせのはじめに音楽の美しさに触れたい。


そんな願いから、小西 収さん率いるトリカード・ムジーカの「第三回 楽藝の会」に足を運びました。大阪北部の箕面です。山があり、とても空気のいいところです。


少しの休憩を挟んでの二時間強に及ぶプログラムでしたが、わたしにはあっという間の二時間でした。


以下、音楽の門外漢による拙い感想・「体験」記を記させていただきたく思います。


山崎淳子さんによるライアー演奏でプログラムがはじまり、わたしはひとつひとつの音(ね)に導かれるように、いま、ここにしかないひとつの世、音楽の世にいざなわれて行ったのでした。


その後、メンバーの皆さんおひとりずつの独奏や二重奏によって、聴き手のわたしのこころもちはやわらぎ、昂り、ほどかれ、その時点ですでに音楽の美しさが肌の内側に浸透して来ているのをありありと感じていました。


しかし、少しの休憩の後、指揮者の小西さんと十一人の演奏者によるモーツァルトの交響曲40番ト短調が鳴りだした途端、わたしは自分のからだの下の方から何かが湧き上がって来るのを感じ、まぶたに涙が溢れ出て来たのです。そして、大地から揺さぶられているような感覚でその第一楽章と第四楽章を聴き終えたのでした。この曲をこんな風に感じたことは、これまでにないことでした。


その後も、ベートーヴェンの交響曲第九の第一楽章と第一の全楽章を聴きながら、わたしはその空間に、山のような、川のような、風のような、光のような、「自然」が繰り出すのを観るのでした。


そして、小西さんの指揮と演奏者の方々の演奏の織りなし合いに、「人と世があることの意味」が建築物のように一瞬一瞬打ち樹てられて行きます。


ことばでおのれが観たものを表現することはとても難しいものですね。しかし、わたしは、ここ数日かけてあの音楽体験をなんとかことばにしたいと願っていました。しかし、このように拙く述べるしかありません。


プログラムパンフレットに小西さんが記された「楽藝の会に寄せて」という文章(下にコピペさせてもらっています)は、いくたびも読むほどに感を深くさせられるのですが、そこに「彼(柳宗悦)のいう民藝の音楽版のような活動ができれば・・・」とあります。


「柳が日本民藝館に無名の美の宿る多くの工藝品/民藝品を陳列したように、私はそばに咲く「楽の花/美の声」の担い手に参集してもらい、いわば“音楽の園芸家”として“楽藝館”内に“楽音の園”を整えんとしてみた、と私からは言えます。」


この「無名の美」というもの。


それは、どこから生まれ出づるのでしょう。


わたしは、そのことをここ数日、自分自身に問うていました。


そして、こう応えが返ってくるのです。「それはただひたすらに長いときをかけての、その人の成熟からだ」と。


俗にいう有名無名を超えて、すべての人に、美しさは宿りえる。その美しさは、きっと、その人の生き方であります。その生き方からおのずと生まれ出づるもの。そういうものに従って、わたしも生きて行きたい。


そんな念いを胸に、新しい年のはじまりを迎えることができました。


以下、シェアができなかったので、小西さんの上げられた文章をコピペして載せさせていただきます。


小西さんはじめ演奏された皆様、本当に美しき善きめでたき時間をありがとうございました。



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2025年1月4日(土)
第3回 楽藝の会。
今回も、私の敬愛する奏者たちの演奏を聴き、彼ら彼女らとの演奏を共にする、至福のひとときとなりました。
──と、前回は上のように書いたのみでしたが、今回はやや饒舌モードで。
打ち上げでは「速い!」「長い!」と責められ…って、もちろん談笑が伴いつつのものです😆が、「速い」も「長い」もその通りであり、ぐうの音も出ないわけでして…。
「(普段よりも)速い」について。リアルタイムに自覚できていた部分とそうでもない部分とがあり…(頭掻)。当方、年男でありますが、還暦というのは指揮者としてはまだまだひよっ子とも言え、ご容赦のほどを…という気持ちです。よりいっそう精進して参る次第です。
「長い」について。物理的に長時間だったのと、曲目によっては「普段の集いでの演奏回数/熟成」との比のギャップ(すなわち、巷の言い方ですと「練習不足」)がやや大きく、奏者に無用な負担をかけた部分があっただろう…ということです。
新年早々の開催ながら、前回よりも多くの、それでいて“質の高さ”は不変の、温かな観客の皆様に恵まれ、この点も嬉しく、とても感謝しています。ありがとうございました。こちらの方は細かくは休憩時間の設定の拙さなどあり…次は気をつけます。「“来たるべき”楽藝の会」へ向けての応援も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以下に、プログラムに掲載した「楽藝の会に寄せて」の全文を引いておきます。トリカード・ムジーカ指揮者・“始動”者の自分を園芸家に喩えた所は我ながらやや強引かとも思いますが、柳宗悦の文章に心打たれて始めたのがトリカード・ムジーカであるということを短く伝えるための拙い凝縮と受け取ってもらえればありがたいです。
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 柳宗悦(やなぎむねよし 1889─1961)は、「ものの見極め」のために、何よりも「直観」を重視していました。彼のいう民藝(運動)の音楽版のような活動ができれば…という(まさにこれも直観的?)発想のもとに「トリカード・ムジーカ(音楽の編み物)」を私は始めたのでした。当会を「楽藝の会」と名付けたのも、もちろん「民藝」にあやかってのことです。
 私のような者でも、幸い、音楽の美を美と受け取る直観力は授かったように思います。その私が日々受け取ってきた身近の音楽美を一日に集結させたのが本日の「楽藝の会」だといえます。柳が日本民藝館に無名の美の宿る多くの工藝品/民藝品を陳列したように、私はそばに咲く「楽の花/美の声」の担い手に参集してもらい、いわば“音楽の園芸家”として“楽藝館”内に“楽音の園”を整えんとしてみた、と私からは言えます。“園芸家”=指揮者自身の腕の方は稚拙?で、tuttiではときに柳のいう「絣」のような「擦れ」たものになるとすれば、それはすべて私の至らなさに依るものです。いや、柳は「絣美について」で、そうした絣の「擦れ」をまさに讃えていたのでもありました(微笑)。いずれにしても、「楽の花」=「奏者の楽音の美」自体は確かに在る。そしてその美は、観客のみなさまを含めここに集ったすべての人がともに耳を澄ませ同じ時間を過ごす中で、より良く醸成されていくものでもあると考えます。



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posted by koji at 22:08 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世は美しい 〜1/29(水)ひのみやこ 教員養成オンライン・プレ講座へのお誘い〜



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小学生の子どもたちが自分の内に最も大切に育みたがっているものとは、何でしょう。


それは、情緒です。知性ではありません。


小学生の子どもたちのこころは、大人のように目覚めてはいず、まだ、夢見る状態といってもいいでしょう。


その夢見る状態のこころが最も求めているものは、活き活きとした、楽しさと愛情に満ちた情緒の育みです。


そういう子どもたちの本性からの求めに、大人はどう応じることができるでしょう。


そのようなことを、今回の「ひのみやこ シュタイナー教員養成 オンライン・プレ講座」では語り合いたいと考えています。


ご関心をお持ちの方、ぜひ、お気軽に、ご参加下さい。お申し込みをお待ちしておりますね。



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ひのみやこ シュタイナー教員養成オンライン・プレ講座「世は美しい」& 声のワークショップ(ことばづくり)

●日時
2025年1月29日(水) 20時半〜22時

●参加費
3500円

●ご用意いただくもの
声に出してみたい文学作品(物語、昔話、詩など)をひとつご用意ください。

●お申し込み
https://docs.google.com/.../1FAIpQLSdPBJ6CPd3RuR.../viewform

●zoom のミーティングurlは、お申込みいただきました方にお伝えいたします。


ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako





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オンライン説明会&トークライブ&プレ講座のご案内と講師陣ご紹介I〜宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座〜



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年が新たになりましたね。
ひのみやこ日本文化に根差すシュタイナー教員養成講座 in 宮城蔵王。
まだまだ、オンライン説明会、そしてオンラインでのトークライブ、さらには、オンラインによるプレ講座をいたしますよ!


1月8日(水)20:30~ オンライン説明会

1月17日(金)20:30~ オンライントークライブ
(ゲスト:設楽清和 /パーマカルチャーセンタージャパン代表)

1月22日(水)20:30~ オンライン説明会

1月29日(水)20:30~22:00 プレ講座『講義「世は美しい」 & 声のワークショップ・ことばづくり(言語造形)』(講師:諏訪耕志 /ひのみやこ コースリーダー)

2月5日(水)20:30~ オンライントークライブ
(ゲスト:岸 英光 /コミュニケーショントレーニングネットワーク統括責任者)



ご関心をお持ちの方、ぜひ、お気軽に、ご参加下さい。お申し込みをお待ちしておりますね。




参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。 (定員5名)
https://docs.google.com/.../1FAIpQLSdPBJ6CPd3RuR.../viewform



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来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただいています。


今回は、「音楽」を担当して下さる主宰の杢野芝麻さんです。


●音楽  杢野芝麻
音楽の基礎は「聴く」ことです。
聴く力を、音、音楽体験をとおして育みます。
聴く器官は、周囲にある音に対しての感覚を養うことで、また、
世界と親しくかかわる自分自身の世界をとおして育まれます。
それは判断の力を培うことにもなります。
音楽の本質を皆さんと共に共有できる学びの場を、楽しみにしています。



ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako





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2025年01月03日

こころのこよみ(第39週)



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靈(ひ)の啓けに​沿ひつつ
 
わたしは得る 世といふものの光を
 
考への力 それは育ち
 
澄みつつ わたしにわたしみづからを委ねる
 
そしてわたしに呼び覚ます
 
考へる人の力から おのれであることの情を
 
 

An Geistesoffenbarung hingegeben
Gewinne ich des Weltenwesens Licht.
Gedankenkraft, sie wächst
Sich klärend mir mich selbst zu geben,
Und weckend löst sich mir
Aus Denkermacht das Selbstgefühl.
 


♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第14週】


感官の啓けに沿ひつつ
 
わたしは失つた みづからを駆り立てるものを
 
夢のやうな考へ それは輝いた
 
おのれを奪ひ去るかのやうにわたしを眠らせながら
 
しかしすでに目覚めさせつつわたしに迫つてゐる
 
感官の輝きのうちに 世の考へるが
 
 
 
An Sinnesoffenbarung hingegeben  
Verlor ich Eigenwesens Trieb,
Gedankentraum, er schien
Betaubend mir das Selbst zu rauben,
Doch weckend nahet schon
Im Sinnenschein mir Weltendenken. 
 
 

※ Weltendenken といふことばを、Welten(宇宙の)denken(思考)と訳さずに、古くから日本人が用ゐ、馴染みのあることばをなるべく遣ひたく、Weltenを「世の」とし、denken は、動詞のかたちをそのまま用ゐてゐるシュタイナーに倣ひ、そのかたちが伝へる動きの感覚、アクティブな感覚を活かすべく、そのまま「考へる」としました。よつて、見慣れなく、聴き慣れない言ひ方ですが、「世の考へる」としました。
 




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2024年12月31日

シュタイナーのクリスマス論






観て下さつて、どうもありがたうございます。

これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。

アントロポゾフィーハウス ことばの家 諏訪耕志

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2024年12月30日

前田英樹氏の謦咳に接する 〜響き続けてゐるひとつの調べ〜



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今年を想い返して、最も嬉しかつたことのひとつが、夏の終わり、池袋の飲み屋で、我が敬愛の方である文芸・映像批評家の前田英樹氏と杯を酌み交はさせていただいたことである。


昨年上梓された『保田與重郎の文学』にあまりにも感動したがゆゑに、ブログに拙い感想を書き記したところ、なんとそれを読んで下さり、いくたびかメールの交換をさせていただいたあと、わざわざ盃の席を設けて下さつたのだつた。


わたしは、この二十年近く、彼の著作のおほよそすべてを愛読して来てゐて、こんなもつたいないことはないと、ひたすらに念じつつ、こんな楽しいことはないといふ時間を味ははせていただいた。


それは、前田氏が本当に気を使つて下さり、わたしのやうな素人にも分かるやうにいろいろと丁寧にお話をして下さつたからだらうと思ふ。


様々なお話をして下さり、すべてが夢の中での想ひ出のやうになつてしまつてゐるのだが、保田與重郎が亡くなつたときの小林秀雄のこと、そして、その日本の文学にこころといのちを捧げ続けたふたりの批評家のこころざしに、いま、繋がるやうな前田氏ご自身の矜持を本当に控えめに、しかし、真実の籠る眼差しでわたしに語つて下さつた語気と精神が、わたしの胸にずつと響き続けてゐる。そして、それはこれから先もずつと響き続けてゆくだらう。


それは、わたし自身がわたし自身として生きてゆくための、ひとつの調べ・トーンなのだ。


こんな幸せなことはない。


こんなありがたい生の時間はない。


本当にかけがへのない時間であつた。






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2024年12月25日

七年前、六年前のクリスマス イエスキリスト生誕劇






七年前の今日、2017年12月25日(月)、大阪市立住吉区民センター小ホールにて、また六年前の今日、2018年12月25日、大阪市立阿倍野区民センター小ホールにて行いました、わたしたち「ことばの家」のクリスマスのキリスト生誕劇。


「人よ 思い起こせ 
人にしてこうごうしいところを 
天の高みより 降りて来られた おさな子」


ただひたすらに、そのような念いを抱く素朴な誠の心意気から発しているこの劇。


イエスご誕生のそのとき、何がこの世に到来したのか。


そのことに対する理解と共に、細やかな、とても細やかな感覚をこころに実感したい。


七年前も、今も、変わらず、その念いが募ります。


この時の劇を動画に撮影したのですが、なぜか全編、録画されていなかったのでした。


しかし、観客の方が撮影して下さった短い動画が見つかりましたので、よろしければその歌声にお耳をお貸しください。


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2024年12月22日

ことばにすること



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昨日、冬至の日に、南禅寺から銀閣寺へと続く静かな東山沿いの哲学の道をゆっくりと歩いて、仕事の場へと足を運んだのでした。


こうして京都に住み始めて個人的に思うことは、ここ京都でも極めて近代的、商業的な思惑が大胆に打ち出されている場所と、古くからそういうものと一線を画し、ずっと守られている精神的、人間的な場所とが、無意識内に截然と分かたれているということです。


商業的な場所といいましても、大阪ほど厚かましくはなく、看板の色合いやその他いくつかの規制がなされているので、整然としたところがあることが大いなる救いであり、うちの娘たちなどはそういった京都の街並みをこころゆくまで満喫しながら毎日を過ごしているようです。


商業的な場所とここで言いますのは、人の欲望が激しく行き交っている場という意味なのですが、欲望はあって当然ですし、あらねばならないものです。しかし、その欲望が自然な形で人の内に湧き上がって来るものではなく、刺激的に、時には暴力的にと言っていいくらいの強さで掻き立てられ、消費へとひたすらに追い込まれてしまっている。そんなありようへと人を追い込もうとする意図が行き交っている場だという意味です。


長い間、大阪で生きて来たわたしは、大阪の商業空間である「ミナミ」や「キタ」などには文化などないということをしみじみ感じておりました。


文化とは何でしょう。


まず、こういう言い方をしてみます。それは、それが失われる危機に見舞われたとき、もしくは失われてしまってから、痛切に感じられる何かです。


しかし、失われてしまってからでは、遅い。


文化とは、人の生き方であり、そこから生まれる何かです。


文化とは、人から人へと長い長いときを重ねて、引き継がれていく生き方、ものの考え方、感じ方、創り方を基にして、その目には見えない何かを大切に育み続けながら、目に見えるものへとかたちづくってゆくこと、そのいとなみを文化といいます。


さらに言うならば、文化とは、利害損得を超えるところにあるもので、だからこそ、アメリカニズムからの商業主義とははっきりと違う何かを人にもたらします。それは、落ち着き、やすらぎ、静かなよろこび、明晰さ、確かさであり、何かと交換不可能なもの、唯一無二のもの、つまり、〈わたし〉という靈(ひ)が、その人のこころに根付いて行きます。


反対にその偏り過ぎた商業主義は、金銭を介してすべてを交換可能なものとし、取り換えの利くものとします。そして、やがては人をも機械部品化、商品化し、交換可能なものとして扱ってしまいます。その流れが、落ち着きのなさ、不安、不満、愚昧、狂気へと人をゆっくりといざなってゆき、靈(ひ)の通わない人、いわゆる俗物となってゆきます。


だからこそ、文化の危機に面しているわたしたちはいかにしてその危機に立ち向かってゆくことができるのかという問いを、いま、ここに、あらためて、立てることができる。そう哲学の道を歩きながら念いました。


その文化の象徴として、たとえば、風景があります。「情景」ということばもあるように、情緒に満ちた風景というものが、人の人生、人の情緒をかたちづくってゆく上で、どれほど深い働きをなすことでしょう。それはその場その場が秘めている価値を身のまるごとで知っている、という感覚です。


それらは、人によって守られ、育まれなければ、この時代の商業主義的な思惑の流れの中でいともたやすく壊され、失われていってしまいます。


わたしは大阪の、まこと風光明媚な情景が萬葉集に詠われた場所近くに住まいしていましたが、その風景は明治以来の近代化によって壊され始め、いまは跡形もありません。ただ、萬葉集を開くときにのみ、こころに想い描くだけです。


では、何によって、何を通して、文化を、風景を、情緒を、守ることができるのか。


多くの人と同じく、わたしも、まずは、根本のところを想います。それは、萬葉集を挙げましたように、そのような文化、風景、価値が言語化されたものをふさわしく評価することです。それは、過去の文学を新しい意識で愛することです。


さらには、いま、当たり前に恵まれているものやことをわたしたちが、これからの時代、意識的に、わたしたち自身で、言語にし、詠い、語り、語り合うのです。


その場所の美しさ、素晴らしさ、親しみをことばにし、語り、語り合うのです。また、その場で生まれた人と人とのドラマを、自分自身の人生を、その場所との結びつきの中で意識化するのです。


人と人とのかかわり、人と土地とのかかわり、さらには、その場における人と神とのかかわり、それらを知ることは、長い歴史の時間軸においても、自分が生きている場所としての空間性においても、人を孤立から救い出し、眠りから目覚めさせます。そして、それらを意識化し、人々と共有し、世へ発信してゆくのです。


ですので、歴史学、地理学、博物学、そして文学が手に手をとりあって、その場所、その土地、そこに生きて来た人々の美しさ、善さを積極的に芸術的に言語化していく。


そういう学びがわたしたちの文化を守り、育ててゆく、ひとすじの道となって、人を孤立から救い、新しい協働性を産んでゆきます。


なぜなら、人は、時間の流れの中、空間の拡がりの中で、「深いつながり」を見いだせたとき、いま、ここにある、〈わたし〉が立つからです。そしてまた、〈わたし〉がひとり立ちするからこそ、他者との共同・協働がその深みからなされゆくからです。


文化が失われる危機に対して、まず、わたしたちができること、それは、その文化の価値をことばにすること、ことばに鋳直し、それを発していくことです。


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2024年12月20日

こころのこよみ(第38週) 聖き夜の調べ



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ラファエロ「大公の聖母」



わたしは感じる 魔法が解けたごとく
 
靈(ひ)の子をこころのふところに
 
その子は胸の晴れやかさのうちに
 
証したり 聖き世のことばを
 
希みに満ちた天(あめ)なる稔りを
 
それは喜びの声を上げて拡がりゆく 世の彼方へと
 
わたしのわたしたるところ 神の基から
 
 
 
Weihe-Nacht-Stimmung   
Ich fuehle wie entzaubert
Das Geisteskind im Seelenschoss,
Es hat in Herzenshelligkeit
Gezeugt das heil'ge Weltenwort
Der Hoffnung Himmelsfrucht,
Die jubelnd wächst in Weltenfernen
Aus meines Wesens Gottesgrund.
 


♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第15週】


わたしは感じる 魔法にかかつたごとく
 
世の輝きに靈(ひ)が織りなしてゐる
 
それはおぼろな感官において
 
包みたり わたしのわたしなりのものを
 
贈るべく わたしに力を
 
その力はおのれを授ける力なく

わたしの<わたし>はおのれの囲ひのうちにあるとしても
 
 
Ich fuhle wie verzaubert          
Im Weltenschein des Geistes Weben.    
Es hat in Sinnesdumpfheit        
Gehullt mein Eigenwesen,        
Zu schenken mir die Kraft,        
Die, ohnmachtig sich selbst zu geben,   
Mein Ich in seinen Schranken ist.     
 








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2024年12月17日

わたしたちの新嘗祭(にひなめのまつり)



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京都府南丹市の青い森自然農園にて、先日、ことばづくり(言語造形)の発表会をいたしました。美しい田園のまなかで・・・。


今年のお米づくりと今年のことばづくりが、神と人との共同作業で稔りを迎えました。


一方はからだの糧、もう一方は靈(ひ)の糧です。


ことばは、人から湧きいづる光です。


そんな靈(ひ)の光の放散が田園から宇宙へとひろがりゆきます。


また、来たる新しい年にも、新しいことばづくりをお米づくりの傍でして参ります。


よろしければ、共に、創っていきませんか。





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2024年12月13日

こころのこよみ(第37週)



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荷ひゆけ 靈(ひ)の光を 世の冬の夜に
 
さう勤しむ 恵みに満ちた我が胸の馳せり
 
輝くこころのあまたの萌しが
 
世の基に根をおろすやうに
 
そして神のことばが感官の闇のうちに
 
輝きつつありとあらゆるものを貫き響くやうに
 
 
 
Zu tragen Geisteslicht in Weltenwinternacht
Erstrebet selig meines Herzens Trieb
Dass leuchtend Seelenkeime
In Weltengruenden wurzeln
Und Gotteswort im Sinnesdunkel
Verklaerend alles Sein durchtoent.
 
 

♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第16週】


秘めよ 霊(ひ)の贈りものを 内に
 
さう厳しくわたしに求める 我が御声(みこゑ)
 
熟しつつ神の恵みが
 
こころの基において豊かに
 
おのれであることの稔りをもたらすやうに
 
        
 
Zu bergen Geistgeschenk im Innern,   
Gebietet strenge mir mein Ahnen,
Dass reifend Gottesgaben
In Seelengrunden fruchtend
Der Selbstheit Fruchte bringen.  
 
 



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新横浜でのことばの芸術体験



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先日は、新横浜でのことばづくり(言語造形)。教師の方々にお集まりいただいての時間です。絵本の読み聞かせに取り組んだのでした。


何よりも、絵本を読む大人自身が喜びと楽しさに満たされること。これは、どこから生まれて来るかといいますと、ことばを「動く」ことによってなのです。なぜなら、ことばとは、「動くもの」「動いているもの」「靈(ひ)のもの」だからなのです。


ことば、文、文章に秘められている「動きの靈(ひ)」から、それを訓む人も聴く人も共に喜びを授けられるのです。


教師の方々がそのことをからだで知っていることは、大いなることで、わたしも、こういう仕事を通して、それを子どもたちへとからだからからだへ伝わってゆくことを目論んでいるのです。


それにしましても、こういった場を用意して下さる企業を経営している方々に、本当に、こころから感謝をするのです。


それは、すぐには結果の出ないことにお金を投入していくということをあえてされているからです。


人から人へ、こころからこころへ、からだからからだへ、何十年もかけて、まことの文化は育まれてゆきます。おおよそ三十年後に最初の稔りが生じて来ます。





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12/8 オトノ間 小さなおはなし会 笠取



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京都の宇治にある笠取山の中腹にて先日、『オトノ間 小さなおはなし会』をいたしました。


この会を企画した齊藤弥生さんが二十年近く前から通い続けている笠取山の一農家にてのひとときでした。


齊藤さんは、ことばづくり(言語造形)も二十年近く、毎月一回の京田辺でのクラスに通い続けておられ、からだまるごとの動きから息と声を解き放つこの芸術実践がご自身のこころの解放に繋がって、見失いそうなご自身のありようを取り戻すことができたと語ってくださいました。そして、毎回、文学作品を声に出す喜びを毎回毎回味わって来られたからこそ、こんなに長い年月、ひとつのことを続けられたとも語ってくださいました。


彼女が、ことばづくり(言語造形)の発表会をしたいという思いと共に、限界集落となりつつあるこの笠取山の農村に少しでも人と人との新しい出会いの場を産みだし、この山村が保持され、再生を果たしていくことに資していきたいというさらに熱い念いが、この日の芸術の集いを産みだしました。


この日の齊藤さんの読み聞かせ『蜜柑(芥川龍之介作)』は、果たして圧巻の出来でした。https://youtu.be/7PHoeG8ddV4


彼女は普段話しているときは、本当に穏やかで優しい語り口の方なのですが、作品に取り組み始めるやいなや、その文体とひとつになって、その場の雰囲気、空間の色まで変えてしまいます。


人って、本人にも気づかれないような様々な側面を持っているのです。それが、それぞれの作品に応じて、照らし出され、輝きいづるのが、このことばの芸術「ことばづくり」の大きな魅力です。


この日、お集まりくださった皆さんとこの場を提供して下さった古市さんに感謝をいたします。


そして、古くから続いてきた日本の暮らしとこの古くて新しいことばの芸術が結びつき、これから新しい価値を創造していくことをこころから願います。





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2024年12月11日

2025年1月より新しく「ことばの家」始めさせていただきます!in 京都市伏見区醍醐



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右手前にある家が「ことばの家」です☺


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『教育の基として 普遍人間学(一般人間学)16回連続』+『ことばづくり(言語造形)』クラス (オンサイト・オンライン両方あり)


2025年1月より、京都市伏見区醍醐勝口町にて、新しく「ことばの家」というシュタイナーから生まれた靈(ひ)の学び「アントロポゾフィー」クラス、そして、ことばの芸術「ことばづくり(言語造形)」のクラスを始めさせていただきます。


まず、スケジュール、ご参加費等を記します。


●日時 

毎月第三土曜日
(2025年7月のみ第四土曜日 8月のみ第五土曜日)

午前10時〜12時 
『教育の基として 普遍人間学(一般人間学)16回連続』

午前12時〜13時 
お昼ご飯

午後13時〜15時 
ことばづくり(言語造形・お話や詩を語る時間です)

午前・午後共に、オンライン参加・録画受講も可能


●ご参加費
午前午後通し 4回連続 30000円  単発 9000円
午前のみ 4回連続 16000円  単発 5000円
午後のみ 4回連続 16000円  単発 5000円


●場所
ことばの家  京都市伏見区醍醐勝口町3-102


●交通
地下鉄東西線「醍醐」駅 徒歩20分
京阪バス「醍醐和泉町」停留所 徒歩10分
醍醐駅発コミュニティーバス「端山団地前」停留所 徒歩3分
お車でのお越しは「ことばの家」に一台分のスペースがあります。


●お問い合わせ・お申し込み
ことばの家 諏訪  
tel 075-203-5919
e-mai suwa@kotobanoie.net



このたびの午前の『教育の基として 普遍人間学(一般人間学)』全16回連続の講座では、わたくしがそれぞれの講座の内容のうち、とりわけ大切なところに焦点を絞って語らせていただきます。


1919年8月から9月にかけて行われたルドルフ・シュタイナーによる連続講義で、アントロポゾフィーから生まれる子どもたちへの教育実践への備えとして、開校目前のシュテュットガルトのヴァルドルフ学校(世界初のシュタイナー学校)に赴任する教師たちや関係者たち約20名を相手になされたものです。


この連続講座は、「教育の基として」という副題がついていることもあり、シュタイナー教育の基礎を学ぶことができるとの予感から手に取る人が多い本なのですが、その内容の難解さに、また多くの人が途中でページを閉じてしまう本でもあると感じられます。


序章である「前夜祭での挨拶」から、その後14日間にわたる講義、そして最後の「開校の挨拶」にいたるまで、シュタイナーは、まさに、人を育てることの本質を摑むために何より大切な「人間認識」「人というものを知るということ」を情熱をもって、多面的、かつ、重層的に語っています。


翻訳は、言語造形家の鈴木一博さんの訳(『普遍人間学』)を使いますが、ご参加下さる皆さんは数種類出版されているどの翻訳本(『一般人間学』)でも結構ですので、ご用意くだされば幸いです。講義の進め方は、各講座の重要なところをわたくし諏訪の語りによって聴いていただけるよう講座を仕立てて参ります。



そして、午後のことばの芸術「ことばづくり(言語造形)」の時間は、人を育ててゆく上で、もしくは、その人がその人自身になってゆく上で、「ことば」というものが本当に重きをなすものであるということを、理屈ではなく、体感で、芸術的に感じ、味わっていく時間にいたします。その芸術の営みは、何よりも、おのれの解放と喜びが湧き上がって来る祝祭的な営みであり、教育だけでなく、生きることの根底を支えるものであります。


ご参加される方には、声に出してみたい作品をひとつお持ちいただきます。



京都伏見の醍醐で新しく始めさせていただく「ことばの家」。


新しい年のはじまりと共に、ぜひ、お足をお運びいただければと願っております。


どうぞよろしくお願いいたします。



    ことばの家 諏訪耕志  http://www.kotobanoie.net/profile.htm




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2024年12月07日

こころのこよみ(第36週)



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レオナルド・ダヴィンチ『サルヴァトール・ムンディ』



わたしといふものの深みにおいて語る
 
いまにも顕はれようと
 
ひめやかさに満ちつつ世のことばが
 
「満たせ 汝の仕事の目指すところを
 
我が靈(ひ)の光をもつて
 
捧げるべく 汝を 我を通して」
 
 
 
 
In meines Wesen Tiefen spricht
Zur Offenbarung draengend
Geheimnisvoll das Weltenwort ;
Erfuelle deiner Arbeit Ziele
Mit meinem Geisteslichte
Zu opfern dich durch mich
 
 

♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第17週】


語る 世のことばが

そのことばをわたしは感官の扉を通し

こころの基にまでたづさへることが許された

「満たせ 汝の靈(ひ)の深みを

我が世のひろがりをもつて

見いだすべく いつかきつと 我を 汝のうちに」



Es spricht das Weltenwort,
Das ich durch Sinnestore
In Seelengrunde durfte fuhren:
Erfulle deine Geistestiefen
Mit meinen Weltenweiten,
Zu finden einstens mich in dir.  





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2024年12月04日

民族の精神・こころ・からだ






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2024年11月29日

こころのこよみ(第35週)



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京都市伏見区の醍醐寺の紅葉



わたしは<ある>を知りえるのか
 
それを再び見いだすまでに
 
こころが活き活きと働くならば
 
わたしは感じる わたしに力が与へられてゐるのを
 
おのれみづからが世そのものを
 
手足となつて慎ましく生き抜いてゆくべく
 
 
  

Kann ich das Sein erkennen,
Daß es sich wiederfindet   
Im Seelenschaffensdrange ?   
Ich fühle, daß mir Macht verlieh'n, 
Das eigne Selbst dem Weltenselbst   
Als Glied bescheiden einzuleben.
 
 
 
♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第18週】


わたしはこころをひろげうるのか

こころがみづからを結ぶまでに

受けとつた世のきざしのことばに

わたしは御声(みこゑ)を聴く 力をきつと見いだすと

こころをふさはしくかたちづくり

靈(ひ)のころもへと織りなすべく   



Kann ich die Seele weiten,               
Das sie sich selbst verbindet
Empfangnem Welten-Keimesworte ?           
Ich ahne, das ich Kraft mus finden,           
Die Seele wurdig zu gestalten,              
Zum Geisteskleide sich zu bilden. 


 

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2024年11月28日

「母の国 滋賀」でのことばづくり



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なんでこんなに絵本を読むことが楽しくなるんだろう。

絵本を口に出して響かせることが、なんでこんなにわくわくするんだろう。

ことばづくり(言語造形)をするたびごとに、いつもいつも、この感情に満たされます。

淡々と読むだけでは決して生まれない、言語のほんものの力。

その力には、二歳の子どもも思わず引き入れらます。

母の国、滋賀でのひとときでした。


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2024年11月26日

目に見えない方々へお返しをして行くとき






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ことばの家 諏訪耕志

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2024年11月24日

コトノハ農園のサツマイモ 紅はるか



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伊藤振一郎さんが静岡の伊豆でされている「コトノハ農園」。ここで彼は、無農薬でバイオダイナミック農法、自然農法を通してお野菜を作っておられます。 


春にはジャガイモをいただいたのですが、この秋の終わりにはサツマイモをいただきました。


まずは、蒸籠で蒸していただくと、美味い・・・。


これまで食べたことのないような、ほくほくで、ふかふかで、甘く、滋味深い味わいです。


地球と月と陽と星々の間を巡りゆく関わりに沿いながら、お野菜を作るということは、今日、わたしたちにはまだよく知られてはいない秘密にそっと触れることなのではないだろうかと感じるのです。


伊藤さんは、このサツマイモを作る上で、こんなプロセスを踏んでおられます。



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾


こちらの紅はるかは3月27日、月星座乙女座の日に温床に仕込みました。温床は30℃付近になるように落葉と米ぬかをサンドにした際の発酵熱を利用したもので、その上に土、サツマイモ、もみ殻を被せるという昔ながらの栽培方法で育てました。


その後は順調に苗も育ち、6月3日の月星牡羊座の日に植え付けをしました。収穫は11月の根のエレメントが強くなる日に順次しているところです。


今年は天候不順で小ぶりのサツマイモが多いと聞いていますが、無農薬無肥料でもサイズがとても大きく立派なサツマイモに育ってくれました。


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天体の動きと共に、地水風火という四つの元手の靈(ひ)の方々についての学び、さらには、『こころのこよみ』の学びも相まって、わたし自身、生き物である地球そのもの、さらには宇宙の営みと、人とを結ぶ農の営みについて、眼に見える観点、眼に見えない観点、双方から学んでゆきたいと考えています。


しかし、そういった意識を持ちつつ人が創りだしてゆく農作物が口に入ることで、美味しさと共に、からだばかりか、こころまでも健やかさをもらえることを実感します。





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2024年11月22日

こころのこよみ(第34週)



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ルオー「聖顔」




密(ひめ)やかに古くから見守られてきたものを
 
新しく生まれてくるおのれのありやうと共に
 
内に活き活きと感じる
 
それは目覚めた世の数々の力を
 
わたしの人生の外なる仕事に注ぎ込み
 
そしてだんだんとわたしを ありありと刻み込んでゆくだらう



Geheimnisvoll das Alt-Bewahrte
Mit neu erstandnem Eigensein 
Im Innern sich belebend fühlen:  
Es soll erweckend Weltenkräfte 
In meines Lebens Außenwerk ergießen 
Und werdend mich ins Dasein prägen.          
 


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【向かひ合ふ週 第19週】
 

密(ひめ)やかに新しく受けとめたものを
 
想ひ起こしつつ包み込む
 
それがわたしの勤しみのさらなる意味であれ
 
それは強められたおのれの力を
 
わたしの内において目覚めさせ
 
そしてだんだんとわたしを わたしみづからに与へていくだらう
 

 
Geheimnisvoll das Neu-Empfang'ne
Mit der Erinn'rung zu umschliesen,
Sei meines Strebens weitrer Sinn: 
Er soll erstarkend Eigenkrafte
In meinem Innern wecken 
Und werdend mich mir selber geben.  
 




posted by koji at 20:53 | 大阪 ☁ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

教師は歌いましょう!






観て下さつて、どうもありがたうございます。

これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。

アントロポゾフィーハウス ことばの家 諏訪耕志



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【アントロポゾフィーハウス ことばの家 zoomによるオンラインクラスのご案内】


「いかにして人が高い世を知るにいたるか」オンラインクラス

●開催日時
毎週火曜日 20時半〜21時半

●ご参加費
体験単発参加  2000円
お月謝制(基本的に月に4回) 5000円

●お振込み先
三菱UFJ銀行 北畠支店 普通 0662296 諏訪 耕志

鈴木一博氏翻訳「いかにして人が高い世を知るにいたるか」をご用意ください。

参加費をお振り込みいただいた方に、zoomのIDとパスワードをお伝えします。


●お申し込み・お問い合わせ
アントロポゾフィーハウス ことばの家
https://kotobanoie.net/access/




【「テオゾフィー 人と世を知るということ」zoomによるオンラインクラス】

●開催日時
第二・第四土曜日 午前10時〜12時

●ご参加費
体験単発参加  3500円
6回連続    18000円


鈴木一博氏翻訳「人と世を知るということ テオゾフィー」をご用意ください。

連続ご参加の場合、ご自身のご都合による欠席は、恐れ入りますが、講座費は払い戻しはいたしませんが、後日、録画した動画をご覧いただけます。

●お振込み先
三菱UFJ銀行 北畠支店 普通 0662296 諏訪 耕志

参加費をお振り込みいただいた方に、zoomのIDとパスワードをお伝えします。

●お申し込み・お問い合わせ
アントロポゾフィーハウス ことばの家
https://kotobanoie.net/access/





【毎週日曜夜『シュタイナー こころのこよみクラス』】

シュタイナーの学び(アントロポゾフィー)には様々な入り口があります。
四季の巡りという時の流れ。
その中で、移ろいゆく人のこころ。
そのふたつを意識的に重ね合わせて行くことが、メディテーションへの道となってゆきます。
毎週の「こよみ」を通して、こころを整え、こころを深め、こころを暖ためてゆく、そんな学びの入り口です。
オンライン上ですが、毎週、日曜日の夜に集うことで、わたしたちはシュタイナーが残した毎週の「こよみ」のことばを芸術的に味わい、月曜日から始まる七日間をより精神的に備えたいと思います。
また、人と人との毎回の出会い、邂逅を大切にしたいのです。
ですので、「こころのこよみ」を軸に、毎回、参加したひとりひとりの方のこころからのことばを聴き合うことに重きを置きます。
繰り返しになりますが、シュタイナーの学び(アントロポゾフィー)には様々な入り口があります。
この入り口は、人と人とが共にこころの調べを聴き合う、そんな共なる「こころのこよみ」を辿ってゆく道の始まりに、きっとなるでしょう。
一年間の予定です。
ご一緒に歩んで参りませんか。
お申し込み、こころよりお待ちしております。

アントロポゾフィーハウス ことばの家 諏訪耕志


この『こころのこよみ』のドイツ語の題は『Seelenkalender』です。
ドイツ語の「Seele」をわたしは、「魂」ではなく、「こころ」と訳してゐます。
それは、「魂(たましひ)」といふ日本のことばが、古来、ひとりひとりの人の靈(ひ)・精神をいふことばであつたからです。
シュタイナーが「Seele」といふことばで言つてゐるのは、その靈・精神(Geist)から凝(こご)つたところ、すなはち「こころ」のことだからです。


●日時
毎週日曜日午後20時半〜21時半

●テキスト
シュタイナー「こころのこよみ」(諏訪耕志訳) 
拙ブログに掲載しているものをご紹介します。

●参加費
毎月(平均4回のクラス) 5000円
体験参加  2000円


●お問い合わせ・お申し込み
アントロポゾフィーハウス ことばの家
https://kotobanoie.net/access/


●お振込み
三菱UFJ銀行 北畠支店 普通 0662296 諏訪 耕志
参加費をお振り込みいただいた方に、zoomのIDとパスワードをお伝えします。



【zoomによる言語造形クラス】

●日程
第二水曜日10時〜11時半(ご参加人数により12時まで)

●参加費
体験ご参加 5000円
その後6回連続ご参加 24000円
※連続ご受講の際、受講者の方のご都合でのお休みに際してご返金できかねますので、ご了承ください。

●お振込み先
三菱UFJ銀行 北畠支店 普通 0662296 諏訪 耕志

参加費をお振り込みいただいた方に、zoomのIDとパスワードをお伝えします。

●お申し込み・お問い合わせ
アントロポゾフィーハウス ことばの家
https://kotobanoie.net/access/


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【アントロポゾフィーハウス和歌山 クラスのご案内】

●日時:毎月第三の月曜日
   10時から12時 アントロポゾフィーの学び
   12時半から14時 言語造形

●場所:和歌山県岩出市内の公民館

●参加費:初回体験 5000円
     5回連続 20000円

お問い合わせ・お申し込み:
  アントロポゾフィーハウス ことばの家
https://kotobanoie.net/access/



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HP「アントロポゾフィーハウス ことばの家」
https://kotobanoie.net/


諏訪耕志ブログ『断想・・アントロポゾフィーに学びつつ・・』
http://kotobanoie.seesaa.net/


you tube channel「アントロポゾフィーハウス ことばの家」
チャンネル登録、どうぞよろしくお願ひします。
https://www.youtube.com/user/suwachimaru/videos


ことばづくり・言語造形(Sprachgestaltung)とは、ルドルフ・シュタイナーの靈(ひ)の学び、精神科学、アントロポゾフィーから生まれた、ことばの芸術です。ことばを話すことが、そもそも芸術行為なのだといふことを、シュタイナーは、人に想ひ起こさせようとしたのです。


わたくし諏訪耕志は、1993年から、アントロポゾーフ・言語造形家である鈴木一博氏に師事し、2003年より「ことばの家」として、大阪の住吉にて、そして、2024年10月から京都市伏見区醍醐にて、言語造形、ならびに、アントロポゾフィーを学ぶ場を設けてゐます。



posted by koji at 14:45 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月16日

こころのこよみ(第33週)



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かうわたしは感じる いま 世を

わたしのこころがともに生きることなしには

そこにはただ凍りついた虚しいいのちのみ

そしてその力なき顕はれ

こころにおいてこころを新しく創りなしても

こころそのものには死を見いだすのみ



So fühl ich erst die Welt,                 
Die außer meiner Seele Miterleben
An sich nur frostig leeres Leben            
Und ohne Macht sich offenbarend,           
In Seelen sich von neuem schaffend,          
In sich den Tod nur finden könnte



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【向かひ合ふ週 第20週】


かうわたしは感じる いま わたしのありやうを
 
世にあるものから遠ざかれば
 
おのれにおいておのれが消え失せ
 
そしておのれの基の上に立つだけならば 
 
おのれにおいておのれをきつと殺してしまふ
 
          
 

So fühl ich erst mein Sein,
Das fern vom Welten-Dasein
In sich sich selbst erlöschen
Und bauend nur auf eignem Grunde
In sich sich selbst ertöten müßte.
 








posted by koji at 15:18 | 大阪 ☔ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月13日

瞑想 それは幼児期の三年間の力を甦らせる営み






観て下さつて、どうもありがたうございます。

これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。

ことばの家 諏訪耕志


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2024年11月10日

昔話や神話を信じること



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幼な子にお話を語る時、それは、昔話であり、神話であったりするのですが、大切にしたいことがいくつかあります。


その内のひとつに、お話を「まこと」と信じることがあります。


風や山や動物、植物のひとつひとつが、人と同じようにいのちを持ち、こころを持っている。そして、互いに語り合ったり、喧嘩したり、仲直りしたり・・・。


そして、そのようなお話はまことを語っているのだと信じることを大人であるわたしたちは学ぶのです。


それは、どの人も幼い子どもの頃に感じていたリアルなことです。


幼な子は、いまだ、いのちのあるものとないもの、こころのあるものとないもの、〈わたし〉と世とを、分かつことをしません。分かつことができません。


〈わたし〉を含めて、世はまるごとでひとつ。そんな意識を幼な子は生きています。


それは、神々しい意識とも言えます。その神々しい意識は、いまだ神々のお姿を見ますし、神々のお声を聴きます。


そして、そのような神々の振る舞い、姿を描いたものが、昔話であり、神話であります。


幼な子は、そのような昔話や神話を、ことばに出して言ったりしませんが、こころの底から、からだまるごとで求めています。


幼な子にお話を語る時、こんな昔話は荒唐無稽だけれども子どもは喜ぶんだから、まあ、それ風に語っておこうというような意識で、頭に分別をたっぷりと詰め込んで声を出す時には、幼な子のこころもからだも荒(すさ)んでしまいます。


一方、わたしたち大人がみずからの心臓にファンタジーを湛えつつ、このお話は真実を語っているのだという念いで声を響かせることで、繊細な感覚を持つ幼な子は、からだとこころまるごとでそのお話を聴き、血の巡りと氣の働きを活き活きとさせます。


そして、そのような繰り返されるお話体験は、その後の人生に、自分自身から創りなすアクティブな力(創造力・想像力・ファンタジー)に満ちた健やかなこころの礎をもたらします。


アントロポゾフィーは、昔話や神話にはまことが湛えられていることをわたしたちに教えてくれます。


アントロポゾフィーによって、昔話や神話を信じることをわたしたちは学ぶことができるのです。


アントロポゾフィーからの叡智を咀嚼しつつ、メディテーションを重ねつつ、ことばづくり(言語造形)を通してお話という芸術に通じて行く、そのような芸術実践を重ねて行き、日本中の多くも多くの幼な子たちにお話を語り聞かせてゆく。それは、昔、吟遊詩人と呼ばれた方々がしていた仕事です。


わたしも、まっさらな気持ちで、この仕事をして行こうと思っています。





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2024年11月09日

こころのこよみ(第32週)



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中川一政




わたしは感じる 稔りゆくおのれの力を

それは強まりつつ わたしを世に預ける

わたしは感じる わたしのわたしたるところが力強く

明るみへと向かふのを

生きることの仕合はせの織りなしの内に



Ich fühle fruchtend eigne Kraft
Sich stärkend mich der Welt verleihn;      
Mein Eigenwesen fühl ich kraftend        
Zur Klarheit sich zu wenden             
Im Lebensschicksalsweben.  




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【向かひ合ふ週 第21週】   


わたしは感じる 稔りゆくこれまでにない力を

それは強まりつつ わたしにわたしみづからを預ける

わたしは感覚する 萌しが熟し

そして御声(みこゑ)が光に満ちて織りなすのを

内においておのれであることの力に



Ich fühle fruchtend fremde Macht      
Sich stärkend mir mich selbst verleihn,    
Den Keim empfind ich reifend        
Und Ahnung lichtvoll weben         
Im Innern an der Selbstheit Macht. 
    

        






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2024年11月06日

ああよかったな ありがとう



京都で暮らすようになって、一か月が過ぎたが、仕事で出る以外は、ほとんど家から出ることもなく、過ごしている。庭にゆっくりと菜園を作り始めていて、まったくの素人が毎日土を動かしたり、耕したりして、本当に楽しい。土の匂いが心地いい。風が気持ちいい。蝶や蜂たちが飛んで来てくれて嬉しい。野菜を植え付ける前に、まずは花屋で花を買って来て鉢に植えてみたのだ。小さいこの庭がこれからどんな風に成長して行くかを想い巡らせながら、朝のひと仕事のあと、じっと眺めていて飽きない。暑くもなく寒くもない季節に引っ越しをしてよかったな。住宅地だけれども我が家の東側のすぐ近くに山がそびえていて、その山の向こうから昇って来る朝日としずかさが、大阪に住んでいた時には味わったことのないもので、自分がこういうところに今こうして生きていること、生かされていることに不思議な感じを抱きつつ、ああよかったな、ありがとうと思う。


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2024年11月01日

こころのこよみ(第31週)



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光 靈(ひ)の深みから

外へと輝きいづる 陽のごとく

それは生きる意欲の力となり

そして輝く 感官のおぼろさに

力を解き放つべく

創りなす力をこころの勤しみから

人の仕事において熟させゆく



Das Licht aus Geistestiefen,               
Nach außen strebt es sonnenhaft.           
Es wird zur Lebenswillenskraft            
Und leuchtet in der Sinne Dumpfheit,       
Um Kräfte zu entbinden,                 
Die Schaffensmächte aus Seelentrieben       
Im Menschenwerke reifen lassen.           



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾




【向かひ合ふ週 第22週】


光 世の拡がりから

内に生き続ける 力強く

それはこころの光となり

そして輝く 靈(ひ)の深みに

稔りを解き放つべく

人のおのれを世のおのれから

時の流れに沿ひて熟させゆく



Das Licht aus Weltenweiten,
Im Innern lebt es kräftig fort:          
Es wird zum Seelenlichte            
Und leuchtet in die Geistestiefen,        
Um Früchte zu entbinden,            
Die Menschenselbst aus Weltenselbst       
Im Zeitenlaufe reifen lassen.   






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2024年10月31日

シュタイナー 悪魔が仕掛けて来てゐる罠






観て下さつて、どうもありがたうございます。

これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。

アントロポゾフィーハウス ことばの家 諏訪耕志



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宮城蔵王 ひのみやこ 日本文化に根差すシュタイナー教員養成講座 講師ミーティング



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昨晩は、講座を担って下さる講師の方々に集まっていただき、初めてのミーティングを試みました。


おひとりおひとりの語ることばを聴くこと。そこからその方その方の心根を感じとること。そして、オンラインとはいえ、肌で互いに感じ合うからこそ、これから互いへの関心が少しずつ深められていくということ。教科の内容と同じくらい大切にしたいもの、それは、人と人との間に流れる関心と信頼へのこころの深まり。


講座の贈り手側の営みだったのですが、すでに、教員養成講座が始まっているように感じたのでした。


このたびの蔵王でのシュタイナー教員養成講座を担う主体は、「ひのみやこ」と名付けられました。


以前、この「ひのみやこ」の中心メンバーのひとりである清水絢子さんが書いてくれたのですが、「ひのみやこ」は、人の「ひ(精神性)」を守り育てる場所(「みや(宮)こ(此処)」)を表しています。


「ひ」とは、靈であり、宇宙の陽であり、こころに灯る火であります。


人は、その「ひ」を、こころに宿し、からだを養って行くことによって、「ひを灯すところ」「ひと」になってゆくのです。


人は、「靈(ひ)」と「こころ」と「からだ」という三つの節(ふし)が織りなし合ってできており、その三つの節のそれぞれをそれぞれとして精確に見てとってゆくこと。


その上で、「靈(ひ)とからだをしっかりと結びつけるために、こころの育みが大切なのだ」という人間認識。


その人間認識から、子どもたちを育てる教育をやっていこう。


そのための場所、それが、「ひのみやこ」です。


この「ひのみやこ シュタイナー教員養成講座」は、子どもを育ててゆくということを真ん中に据えた、大人のための自己教育学校、靈(ひ)からの総合芸術学校であります。


靈(ひ)は、あまねく世界中に普遍的なものであり、それをわたしたちは、シュタイナーから生まれた靈の学び「アントロポゾフィー」から稼いで行きます。


そして、からだは、親、ご先祖様から授かり、大地に根付いた血の通うもので、農をはじめとする人ならではの仕事と芸術行為によって、養ってゆきます。その営みは、我がからだを信頼していく道であり、「日本」「日本」とうるさく言わずとも、おのずからこのからだのふるさとの文化・風習・土俗性が感じられて来ます。講師の方々が、そのことを担って下さいます。


その、世界中にあまねき靈(ひ)と、その土地その土地に固有なものの上に育つからだとを結びつけるために、わたしたちは、こころの育みの必要を見いだすのです。


上からの靈(ひ)の学び。下からのからだの養い。その真ん中にこころの育ち。


そのこころの育みのために、わたしたちの教員養成では、「瞑想・メディテーション」の重要性を実感していく道を共に歩んで行きます。


そうして、ひとりひとりの大人が、「光の柱」になりゆく道を歩き出して行くのです。


子どもたちにとって、自分のそばに何本もの光の柱が立ってくれていることほど、助けになるものはありません。


時代は、そのことを求めています。


二年間という短い期間を通してですが、靈(ひ)へ向ってゆく学び、こころの育み、からだの養い、この三つの節(ふし)を織りなしていく集中した学びを多くの方と共にできることをこころから望んでいます。





●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座
オンライン説明会を開催します!
@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30
参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。 (定員5名)
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako



ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako







posted by koji at 13:55 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月28日

宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 オンライン説明会のご案内と講師陣ご紹介D



「ゲーテ的自然観察」 中森あんじゅ もりとアートの学校主宰.jfif



●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座
オンライン説明会を開催します!
@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30
参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。 (定員5名)
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako



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来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただきたいと思います。


「植物との対話(ゲーテ的自然観察)」クラスを担当して下さる、福島県の裏磐梯にて「もりとアートの学校」その他様々な活動を主宰されている中森あんじゅ(Anju Nakamori)さんです。


●植物との対話(ゲーテ的自然観察)  中森あんじゅ
植物の美しい色や形をよく観察し、その背後にある力を感じていきましょう。植物を通し、ゲーテやシュタイナーが残した叡智を感じ、世界と自分に対する新しいまなざしを広げる時間にしたいと思います。



ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座ホームページはこちらです↓
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako





posted by koji at 17:24 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シュタイナー ミカエルのつるぎ






観て下さつて、どうもありがたうございます。

これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。

アントロポゾフィーハウス ことばの家 諏訪耕志



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2024年10月26日

「神」ということば



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秋の奈良。春日大社をはじめ摂社を巡り、こころの内に敬虔さが降りて来る恩恵を深く感じさせてもらった後、参道で一匹の鹿と目が合いました。


他の鹿たちは、餌を求めてうろつき回っているのに、その鹿は静かに脚を曲げて座っているのでした。


わたしは立ち止まらざるを得なくて、数秒間、その鹿の眼をじっと視ていました。そして、「優しい目をしているね。ありがとう」とこころの内に呼びかけると、明らかにその鹿は、微笑み始めたのでした。


動物が微笑むなどと言いますと、一笑にふされるかもしれないのですが、そうとしか言いようのない光景だったのです。


そして、その眼差しに、なんとも言えない、慈愛、慈しみを湛える光を宿し始めたのです。


その光に照らされ、包まれて、わたしはこう感じざるを得ませんでした。「神が、いま、ここに、おられる」と。


ここで、わたしがお伝えしたいと思うことは、日本語における「神」ということばのことなのです。それは、英語における「God」ではないということなのです。


神々しいものすべて、靈(ひ)の通うものすべてを、日本では、古来、「神」と呼んでいました。


ですので、山にも風にも海にも、狐にも牛にも鹿にも一木一草にも、そして、自分自身の奥様にも幼い子どもにも、神々しいもの、普段のありようを超える何かを感じるものには、「神」と呼んだのでした。


そうして、それらの「神々」は、観る人にとって観えるところの光を放っており、また同時に、その光で神々は人のこころの営みを見通し、見晴るかし、見守られる、ということなのです。


先にも述べましたように、我が国では、人も「神」となるのであります。それは、人であることの理想を体した存在のことであり、いにしえにおいては、そのための修練を積み重ね、その意識をもって毎日を生きることをおのれに課し、しかるべき儀式を経て、内に「靈(ひ)がともる、靈(ひ)がとどまる」ことによって、まことの「ひ・と」になり変わるのです。


「神」ということばは、西洋の観点で捉えるべきものではない、本当に古くからの日本のことばなのですね。


日本人は、その意味での、「神」を観ていました。こころに敬虔さ、敬いの情が満ちているとき、外の世の様々なものが、思いも寄らぬ秘密を打ち明けてくれたのでした。そのとき、日本人は、ものというものに「靈(ひ)の光」を、「神」を、観ていたのです。


敬わざるを得ない人、こうべを垂れざるを得ないものに対して、わたしたちは、「神」と呼んでいたのです。



※写真の鹿は、ここで述べさせてもらった鹿ではなく、春日大社にたどり着く前にカメラに収めさせてもらった鹿です。ここで述べさせてもらいました当の神々しい鹿を、わたしは写真に撮ることは到底できませんでした。






posted by koji at 09:12 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 断想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月25日

こころのこよみ(第30週)



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奈良県桜井市笠の笠山荒神社にある
速須佐之男命(ハヤスサノヲノミコト)のつるぎ



わたしに生じる こころの陽の光の内に

考へることの熟した稔り

おのれを意識することの確かさにおいて

変はる すべての感じ方が

感覚できる わたしは 喜びに満ちて

秋の靈(ひ)の目覚めを

「冬はわたしの内に

こころの夏を目覚めさせるだらう」



Es sprießen mir im Seelensonnenlicht    
Des Denkens reife Früchte,               
In Selbstbewußtseins Sicherheit            
Verwandelt alles Fühlen sich.
Empfinden kann ich freudevoll
Des Herbstes Geisterwachen:              
Der Winter wird in mir
Den Seelensommer wecken.               




♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第23週】


秋めいて和らぐ

感官のそそる営み

光の顕はれに混じる

霧のおぼろなとばり

わたしはみづから観る 場の拡がりに

秋から冬への眠りを

夏はわたしに

みづからを捧げてくれた



Es dämpfet herbstlich sich            
Der Sinne Reizesstreben;            
In Lichtesoffenbarung mischen          
Der Nebel dumpfe Schleier sich.         
Ich selber schau in Raumesweiten         
Des Herbstes Winterschlaf.           
Der Sommer hat an mich            
Sich selber hingegeben.       







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2024年10月23日

宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 オンライン説明会のご案内と講師陣ご紹介C



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●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座
オンライン説明会を開催します!
@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30
参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako



********************



来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただきたいと思います。


「水彩」「手仕事」クラスを担当して下さる、宮城県仙台市にて「森のちいさなアトリエ」を主宰されている秋山 良子さんです。


●水彩  秋山良子
シュタイナーの水彩は、紙に水を含ませ色をのせて描きます。色と色が出会い、響き合い、溶け合い、変容していく様は、風の中を漂う雲のよう。色が広がる、新たな色が重なる、それらを受け取り、また筆を動かす。色との対話のなかで私たちの内には静けさが訪れ、色の響きが命の隅々まで沁みていきます。私たちの感じる心を豊かに育みます。


●手仕事  秋山良子
人間の手は自然界をつなぎ合わせ、新しい命を生み出す力を秘めています。手を動かし、心を動かし、私たちが生み出すものが、この世界の根源と静かに響き合い生まれたものであれば、 その暮らしは、一つ一つが尊いものとなるでしょう。シュタイナーの手仕事は、そうした手と感性を育て、揺るぎない意志を育みます。



ホームページはこちらです↓
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako







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2024年10月22日

宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 オンライン説明会のご案内と講師陣ご紹介B



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●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座
オンライン説明会を開催します!
@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30
参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako



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来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただきたいと思います。


「筆と墨によるフォルメン線描」クラスを担当して下さる書家の下藤天山さんです。


●筆と墨によるフォルメン線描  下藤天山
筆の持ち方から線の引き方まで、今一度、「はじめて」に戻って挑戦する時間を過ごしましょう。ありとあらゆる感覚を使って線を引く。そんな時間を過ごします。そして最後は、発声力をもって、円と線だけによる、今の自分を物語る一つの作品を仕上げましょう。



ホームページはこちらです↓
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2024年10月19日

宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 オンライン説明会のご案内と講師陣ご紹介A



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●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座」
オンライン説明会を開催します!

@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30

参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako


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来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただきたいと思います。


「4年生から8年生の子どもたちへの授業の実際」クラスを担当して下さる若林伸吉(わかばやし しんきち)さんです。


担任と共に過ごす第2七年期の後半(4〜8年生頃)について、子どもの発達とカリキュラムの概要に触れながら、具体的な授業について、何を目指し、何に気をつけて、どんな授業を行っていくのか、多くの実例を交えてお話しできたらと思います。皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

若林伸吉(わかばやし しんきち)
現・京田辺シュタイナー学校教師



ホームページはこちらです↓
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2024年10月18日

こころのこよみ(第29週)



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おのれで考へる光を

内において力強く灯す

生きられるところを意味深く指し示す

世の靈(ひ)の力の泉から

わたしへの いま 夏の贈りもの

秋のしづかさ そしてまた 冬の希み



Sich selbst des Denkens Leuchten           
Im Innern kraftvoll zu entfachen,           
Erlebtes sinnvoll deutend                  
Aus Weltengeistes Kräftequell,             
Ist mir nun Sommererbe,                 
Ist Herbstesruhe und auch Winterhoffnung.  



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第24週】


おのれを絶えず創り上げつつ

こころはおのれのありやうに気づく

世の靈(ひ) それは勤しみ続ける

おのれを知ることにおいて新しく甦り

そして汲み上げる こころの闇から

おのれの感官の意欲の稔りを



Sich selbst erschaffend stets,         
Wird Seelensein sich selbst gewahr;      
Der Weltengeist, er strebet fort        
In Selbsterkenntnis neu belebt        
Und schafft aus Seelenfinsternis       
Des Selbstsinns Willensfrucht.     






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これからの共同作業



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一昨日は京都の京田辺にて、昨日は新横浜にて、ことばづくり(言語造形)の芸術実践の時間をいつものように持ったのですが、仕事をさせてもらっているわたし自身が、毎回毎回、一番、驚いているかもしれません。


人のこんな輝きと漲りには、日常生活においては滅多に出会えるものではありません!


ことばづくりを通して、そのときそのときに集うおひとりおひとりの方から、靈(ひ)におけるこころの輝きといのちの漲りが産まれて来るのです。


そのこころの輝きといのちの漲りは、人とことばの間に流れている法則を踏まえた時のみに産まれて来ます。


法則は数々あるのですが、そのうちのひとつとして、手足の動きがことばの生命力と精彩を甦らせるということがあります。



 視るにおいて迎えられるところが覚えられるのは、
 それなりの自立性をもった頭のなりたちによってであり、
 聴くにおいて迎えられるところが覚えられるのは、
 節分かれしたからだのまるごとによってです。
 見るにおいて迎えられるところは、
 からだへと向かう流れをもち、
 聴くにおいて迎えられるところは、
 からだから上へと向かう流れをもちます。
    (『メディテーションをもってものにする人間学』)



シュタイナーが、ヴァルドルフ学校を初めてシュテュットガルトに開校して、丁度一年後に教師たちに向けてした講義からです。


視えるもの。それは、目という感官を通して、頭の部位から、首から下、胸へ、腹へ、下半身へと密やかにからだに働きかけていく。


一方、聴こえるもの。それは、本質的には、節分れしている手足、下半身、腹、胸で覚えられ(受け取られ)、上へと密やかに昇っていき、頭において想われる。


.耳という感官で聴かれるのは、むしろ、残響といえるものではないか。空気の震えを集約的に受け取るのは確かに耳だろうけれども、本来的に音の音たるところを、わたしたちは胸、腹、さらには手足において受け取っている。


ことばや音楽というものは、手足によって聴かれている!


頭、耳で聞こうとするのではなく、たとえからだはじっと静かに据えられていても、ことばや音楽に密やかに手足を沿わせるようにして聴こうとするとき、そのことばや音楽の「中味」「こころ」「靈(ひ)」に触れることができる。そのとき、人は、健やかに、聴く力を育んでいくことができる。


だんだんと、聴き手である子どもたちの内側に、自分自身の意欲・感情とことばが手に手を取って動き出す、そんな感覚が育まれてゆきます。ことばが、情報のかけらではなく、死んだ考えのものではなく、生き物として、輝きと漲りを湛えながら、絵姿とその他の様々な内的感覚を伴って、子どもの内に息づくようになって来るのです。


そのようなことばを手足をもって、または、胸の脈打ちをもって聴き続ける子どもは、やがて、その子自身が、活き活きとしたことばの話し手、語り手になってゆきます。


しかし、聴き手がそのように聴くことができるのも、話し手が手足をもって語ろうとし、音楽を奏でようとするときです。


話し手が頭のみで、口先のみで、ことばを話すとき、そのことばは、聴き手の手足によっては受け取られず、頭のみに働きかけます。


本当に大きな落とし穴のようなのですが、淡々と語るだけの語り口から出て来ることばやお話を聴いていますと、特に幼い子どもたちにはその影響が深く入り込み、知性のみでことばを聞く人になって行ってしまいます。ことばを聞いても、手足が冷えたまま、胸がときめきにくいまま、意欲や感情が動きにくい人になって行ってしまいます。簡単に言いますと、頭でっかちの人になってしまうということなのです。


密(ひめ)やかに、手足を動かしたくなるような感覚を感じながら、語られることばに幼い子どもたちや小学生たちが繰り返し繰り返し耳を傾ける機会。


そんな機会と場所を創って行き、そこに向けて、大人たちがことばづくり(言語造形)の練習に勤しむことのできるような機会を、これから仕立てて行くことを考えています。


そんな場を創って行きたいと考える方との共同作業をして行くことを考えています。


もし、そんな想いと願いを持っている方がいらっしゃるのなら、ぜひ、お知らせ下さい。共に創って行きませんか。




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2024年10月15日

10/21(月)和歌山岩出 アントロポゾフィーとことばづくり(言語造形)の学び



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毎月、学びが続いている和歌山の岩出市での学び舎のことを学び手であるおひとりの方がご紹介して下さいました。


♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾


月に一度、岩出市に通っている『言語造形』のクラス。講師は諏訪耕志さん。

9年前?の『親子えんげき塾』から参加し、形を変えながら、現在は午前が講義、午後から言語造形の実践の時間になっています。

人前で大きな声で表現することに自分でびっくりしたり、あー話を聞いてもらえる、話を聞く、ってこういうことか!など、人としての基礎のような体験からはじまり(笑)、今では毎回、心と身体の深いところで何かを発見したり味わったりできる、とても大切な時間です。

詩や物語を、声に出して全身(と心と精神)で言葉を発すると、まったく違う体験になるんです、ほんとに。

頭では知ってたけど、実際会ったら、行ったら、やってみたら、やっぱり別もの!なんですが、さらにそれは、目に見えるものではなくて、空間と音を造形する体験。物語の世界がわー、と迫ってくる体験。

何言うてるかわかりますか。

吸う息でことばを受け取り、吐く息でその言葉を地上に素直におろす。素直におろすことが難しい、その難しさに気がつくのが毎回たのしい。自分でしているときはあまり気が付かないんですが、他の方の物語を聞いてると、その息遣いが深いほど、物語の世界が目の前とか身体に豊かに広がるんです、間です、余韻です。わたしが日常で忘れがちなそれです。

ことばを大切に丁寧に発する時間。みなさんいかがですか。突然のお誘いですよ。本当に面白くて大切なクラス。ご興味ある方はぜひお声掛けください。お仲間募集中です!



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



毎月第三月曜日、午前10時から午後2時半まで、午前は『いかにして人が高い世を知るにいたるか』を素材にしたアントロポゾフィーの学び。お昼ご飯を挟んで、午後は、ことばづくり(言語造形)を通して、物語や詩を芸術的に声に出して味わい合う時間です。

人間学と芸術実践。

呼吸を深め、こころをみつめ、いのちの流れを健やかに解き放つ毎月ごとのこの時間が、本当にかけがえのない時間になります。

いつからでもご参加できますので、ご関心のおありになる方、一度、体験ご参加でお越しになられませんか。

お待ちしています。



●ご参加費: 単発 5000円  5回連続 20000円

●日時: 毎月第三月曜日 午前10時から午後2時半まで

●場所: 和歌山県岩出市内個人宅(お申し込みの際に詳細をお伝えします)

●テキスト『いかにして人が高い世を知るにいたるか』と声に出してみたい文学作品をひとつご用意ください。

●お問い合わせ・お申し込み:
ことばの家 諏訪  e-mail suwa@kotobanoie.net





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2024年10月12日

こころのこよみ(第28週)



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棟方志功『R火頌(かぎろひしやう)』より
保田與重郎の和歌
「火の國の阿蘇の神山神の火の魂依りしづか燃えていませり」



わたしは内において新しく甦り

感じることができる おのれであることの拡がりを

そして力に満ちた考への輝きを

こころの陽の力から

生きることの謎を解きつつ贈ることができる

いくつもの願ひを満たしつつ与へることができる

希(のぞ)みはすでにその揺らぎを鎮めたり



Ich kann im Innern neu belebt          
Erfühlen eignen Wesens Weiten         
Und krafterfüllt Gedankenstrahlen        
Aus Seelensonnenmacht             
Den Lebensrätseln lösend spenden,        
Erfüllung manchem Wunsche leihen,       
Dem Hoffnung schon die Schwingen lähmte.   



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第25週】


わたしはいまわたしを取り戻し
 
そして輝きつつ拡げゆく 内なる光を
 
場と時の闇の中へと
 
眠りへと自然がせきたてられるとき
 
こころの深みよ 目覚めよ
 
そして目覚めつつ担ひゆけ 陽のたぎりを
 
寒い冬のさなかへと
   
 

Ich darf nun mir gehören        
Und leuchtend breiten Innenlicht     
In Raumes- und in Zeitenfinsternis.   
Zum Schlafe drangt naturlich Wesen,   
Der Seele Tiefen sollen wachen      
Und wachend tragen Sonnengluten     
In kalte Winterfluten.   
 




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2024年10月10日

青い森自然農園でのことばづくり「ことばのひ」






からだとこころが喜ぶ美味しいお昼ご飯をいただきながら、午前と午後ににわたって、ことばづくり(言語造形)にみんなで取り組みました。


先月に引き続き、『古事記(ふることぶみ)』の本居宣長の読み下し文に挑戦です。


冒頭の「天地(あめつち)の初発(はじめ)の場面における神々の名が次々と語られ、さらには、イザナギノミコトとイザナミノミコトによる「おのごろ嶋」を産みだす場面にかかります。


ことばの音韻と文の流れに沿うからだの動き、身振りによって息づかいが促され、ことばづくりを通して響かせられると、途端に古事記の記述がいきいきとした生き物になり変わるようです。


それは、現代語訳されたものでなく、いにしえのことば、古語のままだからこそ感じられる、ことばの音韻がもたらす音楽性と彫塑性。そこにこそ、我が国の言語がいまも湛えていることばの靈(ひ)、ことばのゲニウス、言霊があります。


目で読むだけでは見いだせない、こういう面白さ、文学の味わい深さ、神話の真実性が、ことばづくり(言語造形)から立ち上がって来ます。


ことばの靈(ひ)に触れられ、包まれ、通われたみんな、また、お風呂上がりのような上気したすがすがしい面持ちで家路についたのでした。


こうした言語芸術が、日本には古典として残されていること・・・。


ことばの感官(言語感覚)を啓くためにも、小学校・中学校から、こうした古典作品を言語造形することを国語教育に取り入れる先生が出てくること。そのことを切に望んでいます。


国の歴史が神話のふところから生まれて来ることの神秘感が子どもたちの内に育ってゆくことをこころから願うのです。


それは、ひとりひとりの個人が自立して生きて行く上で欠かせない、土着性、風土性、連続性、持続性を担保してくれるのが、その国その国の神話ですし、ことばの靈(ひ)の力だからです。


集まって下さった皆さん、どうもありがとうございました!


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2024年10月09日

宮城蔵王 ひのみやこ 主催 第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 オンライン説明会のご案内と講師陣ご紹介@



「小学生低学年への授業の実際」 宮崎僚子 元・京田辺シュタイナー学校教師.jpg



●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座」
オンライン説明会を開催します!

@11/6(水)20:30〜21:30
A11/20(水)20:30〜21:30

参加ご希望の方は<こちらのフォーム>より
お申し込みください。
https://himomiyako.wixsite.com/hinomiyako


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来たる2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成の講義や芸術実践を担って下さる講師陣の方々からのことばをおひとりずつご紹介させていただきたいと思います。


まず最初に、「小学生低学年への授業の実際」クラスを担当して下さる宮崎 僚子(みやざき りょうこ)さんです。


詩を唱え、言葉と共に動くことから始まる学び。低学年の授業では、お話に浸り、生き生きと絵を描き、そこから生まれる文字や数とひとつずつ出会っていきます。歌や物語や色の中で「こころ」と「からだ」と「あたま」をたくさん動かして、共に学んでみませんか。

宮崎 僚子(みやざき りょうこ)
元・京田辺シュタイナー学校教師/
「滋賀シュタイナー教室 湖と空」教師



ホームページはこちらです↓
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2024年10月07日

日本文化に根差す第1回シュタイナー教員養成講座 in 宮城県蔵王町 ひのみやこ主催



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絵は伊藤 真理衣さん



2025年5月から始まる宮城県蔵王町でのシュタイナー教員養成講座。

ホームページが出来上がりました!
日本文化に根差す第1回シュタイナー教員養成講座 in 宮城県蔵王町

この講座を主宰している「ひのみやこ」清水絢子さんからの言葉を紹介させていただきます。


【わたしたちについて】


「ひのみやこ」は、人の「ひ(精神性)」を守り育てる場所(「みや(宮)こ(此処)」)を表しています。

私たちは、外から様々な知識を子どもたちに教え育てるというよりは、子どもたちの中に宿る精神性を守り育てることを柱とする教育の場を創っていきたいと考えています。

そのような思いから、2024年春に認可外保育園(「里山おうちえん」)を開き、シュタイナー教育と四季に沿った日本古来の暮らしをミックスした教育を始めています。

​そして次は、ここに通う子どもたちの成長に合わせ、2027年春に小学校段階の学び舎(「ひのみやこ」)を開校予定です。

「ひのみやこ」では、「里山おうちえん」の教育内容をベースに、今回の教員養成講座の講師陣の皆様の教えを取り入れた未だかつてない教育を実践していくつもりです。

この新しい教育を創り広げる仲間として、この船に乗り込んでいただけたら嬉しいです。


「ひのみやこ」清水絢子


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●第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座」説明会を開催します!

@11/6(水)20:00~21:00
A11/20(水)20:00~21:00

参加ご希望の方は<こちらのフォーム>よりお申し込みください。






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2024年10月04日

こころのこよみ(第27週)



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セザンヌ「庭師 ヴァリエ」



わたしといふものの深みへと進みゆく

呼び起こす 御声(みこゑ)の響きに満ちた憧れを

わたしはわたしを見いだす おのれを見てとりつつ

夏の陽から贈られた萌しとして

秋の調べの中で熱く息づく

我がこころの求める力として



In meines Wesens Tiefen dringen:
Erregt ein ahnungsvolles Sehnen,      
Daß ich mich selbstbetrachtend finde,     
Als Sommersonnengabe, die als Keim
In Herbstesstimmung wärmend lebt    
Als meiner Seele Kräftetrieb.    
        



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



【向かひ合ふ週 第26週】


自然 その母なるありやう

わたしはそれを担ふ 我が意欲において

そしてその意欲の火の力

それが鍛へる 我が靈(ひ)の萌しのかずかずを

その萌しのかずかずが生む おのれの情を

わたしを担ふべく わたしにおいて   



Michaeli-Stimmung   

Natur, dein mütterliches Sein,             
Ich trage es in meinem Willenswesen;      
Und meines Willens Feuermacht,         
Sie stählet meines Geistes Triebe,         
Daß sie gebären Selbstgefühl           
Zu tragen mich in mir.  






posted by koji at 23:09 | 大阪 ☔ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月29日

理想をことばに鋳直すお祭り ミカエルのお祭り



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秋の祭りである、ミカエルのお祭り。


それは、夏の間、高く大いなる世に拡がつてゐたわたしたちのこころと靈(ひ)が、冬のクリスマスに向けて、再び、わたしたちのからだへと戻りくることを、強く、確かに、促すためのお祭りです。


だからこそ、この秋のお祭りを創ることによつて、人は、自分自身の本当の理想やまことの考へをふさはしく、靈(ひ)の鉄の剣をもつて「ことば」にする力、「ことば」に鋳直す力を得ることができるのです。


言語の理想主義。


それは、わたしたちのこころを健やかに甦らせてくれます。


アントロポゾフィーから、そのやうな靈(ひ)のお祭りを創つてゆく。


それは、アントロポゾフィー運動のひとつの仕事なのです。



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



『ミカエルのお祭り』ルードルフ・シュタイナー


我々、いまを生きる人

靈(ひ)の朝の呼び聲

ミカエルの朝の呼び聲を

ふさはしく聴き取りてしかり

靈(ひ)を知ること

そはこころに啓かむ

まことの朝の呼び聲への聴き耳を



♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾ ♾



靫(ゆき)懸(か)くる伴(とも)の男(を)広き大伴(おほとも)に国栄えむと月は照るらし(萬葉集1086)


国のはじまり以来、宮廷を守り続けて来た武門「大伴氏」。


靫(ゆき)を背に懸(か)け勢揃ひした大伴のつはものたちの集団に、「国栄えんと」月が照つてゐる。


引き締まる秋の目覚めを思はせる。


なにゆゑか、諏訪家の娘たち二人が幼い頃、この歌を好みました。



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posted by koji at 11:39 | 大阪 ☁ | Comment(0) | アントロポゾフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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